管理職の採用で増加する
「見えざるコスト」

1

管理職を一人採用すると、周囲の誰かを十分に忙しくさせるくらい仕事を生み出すことになる。特に職位の高い人材ほどそのコストは大きい。このような泥沼から抜け出すための3つのステップを紹介する。ベイン・アンド・カンパニーの連載「ホワイトカラーの生産性を高める」第4回(毎週金曜、全8回を予定)。

 

素晴らしい人材を適切なチームに配置しているにもかかわらず、思い通りの財務的成果があがらなかったとしよう。なぜだろうか。それは、彼らのパフォーマンスを最大化するうえで、組織構造が障害となっているのだろう。

 最初の問題は、間接人員比率が管理されていないことだ。戦闘地域では、第一線で戦う兵士もいれば、物資の調達や物流など後方で支援する者もいる。軍の司令官は、この間接人員比率を極限まで下げることはできないことを分かっているはずだ。そうでなければ、かえって莫大なコストが必要となり、結果として戦争に勝つことはないだろう。

 企業においても同じことが言えるはずだ。例えば、商品そのものをつくるソフトウェア開発などの従業員や、顧客対応を直接担当する現場で働く営業やコールセンタースタッフのような従業員がいる一方で、マーケティングや財務、人事、その他本社機能をはじめとする間接部門で働く従業員もいるはずだ。間接人員比率が低くなりすぎると、現場のメンバーが顧客からのすべての要求や改善提案の対応をすることになる。会社という官僚組織の中で、何日、何週間もたらい回しにされ、顧客対応が遅れてしまうだけでなく、現場がやる気やモラルを失ってしまうことにつながる。このような官僚的組織で負荷をかけられた時、彼らはどうやって顧客に貢献すればよいのだろうか。

 次によくある問題は、組織における役職階層が細分化されすぎていることだ。いなくてもよい上司が仕事を増やし、非効率を招く。結果として組織の生産性を低下させるのだ。たいていの企業は、この手の上司の存在がいかに無駄かについての認識が甘い。最近でも、私と同僚が管理職や経営メンバーを一人追加するコストについて調査したところ、いわゆる乗数効果が見られることが分かった(図表参照)。

1
無料プレゼント中! ポーター/ドラッカー/クリステンセン 厳選論文PDF
Special Topics PR
今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS
DHBR Access Ranking