パフォーマンスの高い人材を
いかに多く獲得、保持できるか

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ベイン・アンド・カンパニーの調査によれば、トップパフォーマーは平均的社員の約4倍の成果をあげることが判明した。場合によっては、その差はさらに大きいこともある。つまり、トップパフォーマーの割合が高い企業ほど、競合よりも高いパフォーマンスをあげることになる。連載「ホワイトカラーの生産性を高める」第2回(毎週金曜、全8回を予定)。

 

 あなたの会社のトップ営業マンには、一体どのくらいの価値があるだろうか? 優秀なエンジニアは? マーケティング担当者は? ご存知のとおり、成果が高い人もいればそうでない人もいる。しかし、最もパフォーマンスが高い一部の人は、その他の人より少し高いというレベルではなく、圧倒的に高い成果をあげていることが多い。ベインの調査によると、トップパフォーマーは概ね平均の約4倍の成果をあげるものだと分かった。場合によっては、その差はさらに大きいこともある。例えば、ノードストロームのトップ営業マンは、平均的社員の少なくとも8倍以上の売上を達成している。

 トップパフォーマーとその他の社員の差が大きいゆえに、トップパフォーマーの割合が高い企業ほど、競合よりも高いパフォーマンスをあげることになる。その理由は、人的資本の生産性(Human Capital Productivity:HCP)が高いことにあり、財務的成果と非常に高い相関関係にある。人材だけがHCPを決定付けるわけではないが、そもそも一定のトップパフォーマーなしに、他の要素だけで有意な差を生むのは難しいだろう。社内の人材レベル底上げがHCP向上への最初のステップだ。

 どうすればスキルレベルを向上させることができるのか。とりわけトップ人材の割合を高めるにはどうすればよいか。ベインの研究や経験によると、そこには3つの鍵がある。

(1)人材プールを評価する
 社内人材の強みと弱みがどこにあるかを理解せずして、この問題がどれほど重要なのかを知ることはできない。例えば、30億ドルの売上(と4540億ドルの運用資産)を誇るマンハッタンの資産運用会社アライアンス・バーンスタイン社 (以下、AB社)では、毎年約3700名の従業員に対してパフォーマンス(業績)とポテンシャル(潜在能力、将来性)の双方の評価を実施する。

 AB社のシニアチームは、全社横断でその二つの評価を適正化するために、毎年数日を割いてトップパフォーマーがどこにいるか特定する。ここで留意すべきは、パフォーマンスとポテンシャルはいずれも重要だが、よりパフォーマンスを重視すべきだということである。パフォーマンスは客観的に計測、評価できる「事実」である一方、ポテンシャル評価には主観の入る余地があり、かつ実際にポテンシャルのままで終わる可能性すらあるからだ。だからこそ、パフォーマンスの高い人により注目しなければならない。人材プール全体の中にパフォーマンスの高い人がほんの一部しかいなければ、それ自体が問題だということが分かる。

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