グローバル企業に見る
メガトレンド分析に基づく長期戦略

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メガトレンドを読む力は、企業競争力を大きく左右する。過去、メガトレンドに鈍感であったり、方向性を見誤ったりした経営者たちがどのように競争を展開したかを振り返れば、競争優位は言うに及ばず、企業の存続においてメガトレンドがいかに重要であるかを理解できるだろう。デュポン、シーメンス、ボッシュといったグローバル企業は、メガトレンドを読み、徹底的に活用することでリーディング・カンパニーとしての地位を確立している。

企業経営の基部となる「メガトレンド」

 今「メガトレンド」に注目が集まっている。

 メガトレンドとは、長期的な時間軸における時代の大きな趨勢や潮流のことであり、1980年に米国の未来学者であるジョン・ネイスビッツが生み出した言葉とされている。2050年までに日本の総人口が1億人を下回る、2050年にはアジア圏の経済規模が世界全体の半分程度を占める、今後20年から30年の間に多くの職種が機械に取って代わられる、といったことをよく目にするが、これらは典型的なメガトレンドの一断面といえる。

 企業経営においてメガトレンドを読むことの意味は何か。

 さまざまに考えられるが、一つには、経営の持続性を高める可能性である。目先のコスト圧縮や効率性のみを追求したバリューチェーンの構築と、将来の人口動態や深刻化する水資源不足などにまで着目したそれとでは、どちらの持続可能性が高いかは明らかであろう。もう一つ挙げるなら、将来のうねりを捉え、他社に先んじて「次の一歩」を踏み出すことにより、高い収益性を獲得する可能性が高まる。もちろん、「先を見て、踏み出す」だけでは覚束なく、自らで新たな流れを作り出し、圧倒的なポジションを確立するまでの知力と体力、そして胆力が欠かせない。メガトレンドを読むことは、企業が生き残るための、否、勝ち続けるための基本的な動作である。

メガトレンドの整理学

 では、メガトレンドをどのように捕捉するのか。

 外部環境を整理、分析するフレームワークとしては、政治(Politic)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technology)の頭文字をとった「PEST」が一般的だ。メガトレンドの分析にあたっても、このPESTが基本となるが、我々は「Foresight」という2050年までの将来環境分析のレポートを作成する際、「EDGE」と「PRISM」というオリジナルのフレームワークを用いている。

 

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