グローバル人材が生まれにくい
日本企業を解剖する

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前回は、グローバル組織への変革のための方向性・方法・付帯条件を述べた。次に、その変革を実現するための人材をテーマにしたい。今回はその導入として、日系的な緑色人材と外資系的な青色人材の特徴を比較し、差異を特定するとともに、なぜそのような差異が生まれるのかを説明する。

日系人材と外資系人材の差異は
どこから生じるのか?

 本連載では、日本企業の特徴を有するものを緑色、外資系企業のそれを青色として区別しているが、従来、日本企業に入った人は緑に染まり緑色人材として職業人生を終え、外資系企業に入った人は、転職をくりかえしたにせよ、青に染まり青色人材として職業人生を終えた。この二つが交わるのは、緑の日本企業から青の外資系企業に転職した場合にほぼ限られていた。

 ところが、近年、日本企業の部分的な外資化、つまり「まだら模様化」が進むのに伴い、緑の日本企業に青い人々が青い思考・行動を携えてどっと入ってくることも起き始めた。そういう中で、緑と青が集団的に出会い、一緒に仕事をする機会も増えてきて、両者のインタラクションのスケールとスコープと強度が、それ以前には考えられないレベルに達している。その結果、両者の相異についての認識もとみに高まっている。

 さて、ここで「緑に染まる」というのは、緑、すなわち日系企業の経営方式・設計図に染まるという意味である。同様に、「青に染まる」というのは、青、すなわち外資系企業の経営方式・設計図に染まるという意味である。

 前回テーマにした経営方式とは、経営理念・戦略・組織構造・人事制度など企業を経営するための基本的な要素・仕組の内容とその活用方法のことであり、設計図とは、経営方式にしたがって、いわば人々の行動のガイドとして機能するWHY(ミッション・ビジョン・理念等)、WHAT(戦略・組織構造・制度等)、HOW(個別スキル・連携等)を定義したものである。人は緑の設計図にガイドされ続けるうちに、緑に染まっていき、緑の人になる。青も然りである。

 今回は、緑の設計図と青の設計図の中身に分け入って比較対照しながら両者の差異を確認し、その設計図の差異が人材の差異につながることを見ていきたい。

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