IMC3.0の実践方法はすでに明らか。
やるかやらないかが競争優位につながる。

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IMCの父、ドン・シュルツへのインタビュー3回目。企業はSNSとどのように付き合うべきか。そしてデジタルネイティブが増える社会で、どのようなマーケティングが必要か。IMCの実践について聞く。

 

ソーシャルメディアは「傾聴」のメディア

藤田:これからのコミュニケーションを考えるにあたって非常に重要な点のひとつである、ブランドとソーシャルメディアとの関係についてはどうお考えですか?

シュルツ:ブランドとソーシャルメディアとの関係について、今問題になっているのは、企業がソーシャルメディアをマスメディアと同じような「メディア形態のひとつ」と捉えて使おうとしていることだと思います。ソーシャルメディア自体というよりも、企業の使い方の問題ですね。

ドン・シュルツ氏
ノースウェスタン大学 IMC名誉教授 Donald Schullz(ドン・シュルツ)氏 P.コトラー、D.アーカーと並ぶ世界の3大マーケティング巨匠の1人といわれる。統合マーケティングの提唱者であり、また、3M、ビザ・インターナショナルなど数多くのグローバル企業でのコンサルティングの実績を持つ。自ら経営するコンサルティング企業のAgora社CEOでもある。主な著書に『IMC The next generation : Five steps for delivering value and measuring financial returns』(2003)などがある。

 たとえば今行われているのは、私と友人が2人で話しているところへ企業が割り込んできて、モノを売ろうとしているようなことです。マーケターが「ソーシャルメディアは対話型のコミュニケーションだ」と理解していないのが、この誤りの原因です。

 ソーシャルメディア側に問題があるとすると、その仕組みというよりも運営側に「マス広告のように広告を売りたい」意図があることです。テレビCMの枠を売るのと同じような使い方をメインに企業に提案するのは、考えものです。こういう使い方は機能しません。

藤田:そうすると、どのような使い方が有効なのでしょうか?

シュルツ:ソーシャルメディアにいる人たちが「何を話しているのか」をまず聴かなければいけないと思います。ここにソーシャルメディアの価値があります。

 これまで我々はメディアを、広告を出稿するという形で「何かを伝える手段」として使ってきていたので、お客さまが何を求めているのかを吸い上げようとはしてきませんでした。でも、ソーシャルメディアならそれができる。なので、何が語られ、何を求められるのかを聴くのが重要になります。

 先日のセッションで、どのようにデータ分析をしていくかを示したモデルを紹介しました。その起点となるのが“Listen”、聴くという段階です。お客さまの声を聴いて収集したデータを、どう使っていくかを考えていくのです。

 しかし、聴くことができていないために、企業はソーシャルメディアに翻弄されているのが現状です。そして、誤った捉え方のまま「ソーシャルメディアは使えない」という結論を出してしまっている。そうではなく、まずはもっと聴くことから始めないといけないのです。

藤田:ソーシャルメディアを使って「聴く」ことができれば、ブランドはソーシャルメディアを味方につけて、お客さまとより豊かなコミュニケーションを図れるのですね。

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