マネジャーは、転職を望む部下の
最初の相談相手になろう

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リンクトインの創業者リード・ホフマンらが、建設的な離職管理の方法を提案する。マネジャーは、転職を考えている従業員の最初の相談相手にみずからがなるべきであるという。その理由とメリットとは?


 従業員が自分のキャリア展望について、マネジャーに正直に話せないのはなぜだろうか。自分の希望がマネジャーの現時点での意向や時間的な展望と合致しない場合には、率直に話すことがリスクとなり、自身のキャリアにマイナスとなる、というもっともな思い込みがあるからだ。やはり他社からの誘いが来るのを黙って待つほうが、無難なのかもしれない。マネジャーが自分の希望を気に入らない場合、継続的なキャリアアップが見送られたり、最悪の場合は解雇されるかもしれないから――そう思い込んでしまうのだ。

 これは自己達成的予言、つまり思い込みが実現するように行動してしまう例でもある。いったん別の潜在的な雇用主について考え始めると、現在の会社と前向きな関係を維持することが困難になってしまうのだ。

 マネジャーも部下も、現在の雇用関係を終わらせることを必ずしも望んでいるわけではない。しかしキャリア展望に関する信頼と率直さがなければ、往々にしてそれが起こってしまう。

 雇用主は従業員と高度な信頼で結ばれた同盟関係を築きたいのであれば、創業者雇用契約書(founder employment agreements)に記載される一般的な条項、「先買権(Right Of First Refusal)」をお手本にするとよい。創業者が会社の株の売却を希望して株式の一部またはすべてを売るオファーを提示した場合、会社は先買権を行使して、提示された価格で第三者よりも先に株を購入できる。この妥協策により、創業者(または従業員)は会社によって株式の売却を阻止されることのないよう保証され、一方で会社は望まない投資家を抱え込むことのないようにできる。

 雇用主と従業員の関係も、同様の妥協策によって向上できると我々は考えている。それは、言わば「優先対話権(Right of First Conversation)」というようなものだ。従業員がキャリアの別の選択肢を模索したいと決めた時、まずは現在のマネジャーと話をするよう取り決めておくのだ。そうすれば会社側には、その従業員にもっと魅力的な仕事や役割を任せる機会が与えられる(その人をつなぎ留めたい場合)。

 これは、ヘッドハンターから誘いを受けるたびにマネジャーに知らせるという意味ではない。そのような申告は両者にとって煩わしいだろう。そうではなく、別の仕事のオファーやキャリアの道を真剣に検討している場合に限り、マネジャーと話をするのだ。また、現在の勤務状況がもはや自分に合わず、変更されなければ別の雇用主を探すほかにないと強く感じた場合にも、マネジャーに相談すべきである。

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