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K.I.T.×DHBR「ビジネスモデル進化論」セミナーリポート

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革新的な呉服店で繁栄の
礎を築いた三井越後屋

K.I.T.虎ノ門大学院
三谷宏治 主任教授
同大学院ビジネスアーキテクト専攻 東京大学理学部物理学科卒。INSEAD MBA修了。BCG、アクセンチュアを経て現職。アクセンチュアでは戦略グループ統括を務め、同グループの200人超への成長に貢献。その間、経営戦略コンサルタントとして、日本内外数十社のプロジェクトに関わる。著書は『経営戦略全史』『ビジネスモデル全史』(ディスカヴァー21)、『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)、『お手伝い至上主義でいこう!』(プレジデント)、『ルークの冒険』『親と子の「伝える技術」』(実務教育出版)など多数

 江戸時代前期の1673年、三井家の4男4女の末子・三井高利は51歳で江戸本町に越後屋を創業し、長年の事業プランを実行に移した。

 まず、「現金 掛け値なし」。それまで節季払い(年2、3回のつけ払い)だった支払い方法を、店での現金払いに変更。

 また、掛け値(値切り前提の高めの値段であり相手次第の値段設定)を、値引きなしの定価販売に改めた。当時、呉服屋の得意顧客は富裕層に限られていたが、どんな顧客にも同じ低価格で呉服を提供する施策を打ち出した。

 そのほか越後屋は、

・1反売りではなく切り売り
・既製品を天井に展示
・その場で裁縫・仕立て
・反物の種類ごとに担当者を専任化

 など、業界のタブーを破る施策を次々に展開し、客層を富裕層から中間層にまで大きく拡げることに成功した。結果「1日千両を稼ぐ」と言われるほど繁盛することになる。

 さらに呉服業だけでなく両替商にも進出し、また持ち株会社の仕組みで長期間多くの組織を安定的に統治するなど、呉服店以外の部分でも多くの革新を成し遂げた。

「三井高利やその長子・高平が、旧来の呉服店のビジネスモデル全体を革新し、売り方・つくり方・資金調達・儲け方のすべてにおいて新しい仕組みをつくったからこそ、その後数百年にわたる三井家の繁栄につながったのです」(三谷教授)

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