「哲学」がMBAの人気講義になるのはなぜか?

ほんとうの「哲学」に基づく組織行動入門【第1回】

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 そこで、仙台に戻るとすぐにHPを立ち上げ、現地で聞き取ってきた必要な物資を掲載し、それをTwitterにリンクして、拡散したのである。送れる人は送ってください、送ったらどこの避難所に何をどのぐらい送ったかだけコメントしてください、とすることで、必要な物資がすべて送られたらそれを消すことで、必要以上の物資が届かないようにしたのである。つまり、Twitterの拡散力、HPの制御力を組み合わせ、宅急便という既存のインフラを活用することで、必要な物資を必要な分必要としている人に直送できる仕組みを作ったのである。またAmazonのほしいものリストを活用することで、世界中からクリック一つで、チェンソーや家電など、必要としている人に翌日届けることも可能となった。

 しかし、日々、避難所が統合されたり、移動したりする現地で、数千箇所ともいわれる避難所を廻ることは不可能であった。そこで避難所を把握している各被災行政にこの仕組みを広めてもらうのがよいだろうと考えたが、前例にないことだということで、なかなか前には進まなかった。そのため、別の方法を採ることにした。それは次のような方法だ。

 まず、「ふんばろう東日本」のHPから、その仕組みを1枚のチラシにまとめて、連絡先を明記し、それをHPからダウンロードできるようにした。そして「現地に物資を持っていける人は、このチラシも配って、今後必要になった物資はここに電話するよう伝えてきてください」とTwitterで拡散したのである。要するに、現地に行ける支援者に営業マンになってもらおうという方法を採ったのである。これによって「ふんばろう」を立ち上げて3ヶ月後の7月には1000箇所の雛所を超え、1年で3000箇所以上の避難所や仮設住宅、個人避難宅エリアを対象に35000回以上の物資支援が実現したのである。

本質を意識することで、仕組みは機能する

 このようにしてみると、「方法の原理」とは、必ずしも見たことも聞いたこともないといった方法を生み出すものではないことがわかるだろう。しかし、それをもって原理には価値がないと思うのは早計である。

 実際、既存のマッチングサイトが機能しなかったのである。なぜだったのか。それは津波によりすべて流されてしまった地域は電気、水道、ガスすべてのライフラインが止まっており、当然のことながらパソコンもネットもないため、提供者と受給者がアクセスするタイプのマッチングサイトは、内陸のネットに強い若者しか活用することはできず、最も厳しい状況であった沿岸地域の人々は活用することはできなかったのである。

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