グループ・ガバナンスの要
CFOに求められる役割

デロイト トーマツ グループ CFOプログラム

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Special Interview
CFOサーベイ
日本企業のCFOは世界をどう見ているか?
~CFO VISION 2014 インタラクティブ・セッションより
「CFO VISION 2014」の中盤で行われた、参加者とともに進行する「インタラクティブ・セッション」では、壇上からの質問に対して、出席したCFOらが手元のiPadを使って回答、トーマツグループのメンバーが見解を述べるというスタイルで活況を呈した。今年で2回目となるインタラクティブ・セッションの調査結果について、昨年との比較と合わせて、監査法人トーマツの久世浩一氏とデロイト トーマツ コンサルティングの日置圭介氏に話を聞いた。
グローバル競争に向けて、より具体的な行動を

有限責任監査法人トーマツ
執行役 開発・C&I、
エリア統括担当
久世浩一氏
 最初の質問では、国内および世界の景気に対する認識を問うた。国内、世界ともに「緩やかに拡大」との回答が最も多かったが、注目されるのは昨年との変化だ。その比率は国内では77.4%から78.0%とほぼ同じだったが、世界については48.8%から74.2%へと急増している。
「日本市場の相対的地位が低下傾向にあるなかで、日本企業にはグローバルで戦う意識が強まっています。その変化の背景に、海外の景気動向への認識があるのでしょう」と久世浩一氏は語る。これに関係していると考えられるのが、次の質問に対する回答だ。
 CFOの課題認識として、グローバル化において対応すべき課題を聞いた(図1)。最も多かった回答は昨年同様、人材の獲得・育成に関するものだったが、2番目は「世界に通用する商品・サービスの開発」。昨年の26.7%から今回は55.1%へと2倍以上の伸びを示した。
「世界市場において、どのように稼いでいくのか、より具体的なアクションの検討が始まっているということではないでしょうか」(久世氏)
 次に、CFOにとっての重要課題を聞いた。回答が多かった順に「企業価値最大化を達成する投資マネジメントの徹底」「ファイナンス人材の確保・育成」「事業管理に資する情報の提供」と並ぶ(図2)
 上位の回答については、昨年と大きな差異は見られなかった。目立ったのは「内部統制の強化」が、昨年の8.1%から23.6%に増えたこと。日置圭介氏は次のように解説する。
「特に海外M&Aを経験した企業には、内部統制は切実な課題。経営統合後の業務プロセス標準化が不十分で、本社が買収先のコントロールポイントを把握できていないケースもあると思います。プロセス標準化は効率化の文脈で語られることが多いのですが、内部統制やリスク管理の観点でも重要です」

デロイト トーマツ コンサルティング
執行役員 パートナー
日置圭介氏
 回答割合には大きな変化はないものの、日本企業のグローバル化を見据え「税務コストの最適化」にも注目すべきだ。
「税務については、日本企業は『守り』の意識が強いように思います。もう一歩踏み込めば、企業価値への転換につなげられる。ぜひ、もうひと頑張りを」と久世氏は言う。
CFOに求められる
情報への感度と発信力


 セッションの最後のパートは、「情報」をテーマに据えた。その狙いを久世氏は次のように語る。
「いかに質の高い情報をタイミングよく入手し、自分のなかで咀嚼して行動に生かすか。おそらく、企業でこの能力を最も求められるのが、CFOでしょう」
 まず、月次や四半期などの業績に関する情報についての課題意識を聞いた。多かったのは「情報があがってくるタイミング」「設定しているKPIの適正性」、「情報収集・分析のためのインフラシステム」である(図3)
 また、予算や経営計画等の立案に不足する情報については、「製品/サービスの市場規模や競合動向等」が圧倒的に多く63%を占めた。次いで「いずれの情報も不足」「経済や金利、為替、資源価格等」の順(図4)
「特に新興国では、自社の商品セグメントにフィットした市場情報の収集は至難です。必要とする情報をきちんと定義して、場合によっては情報そのものに投資するなど、有効な情報を収集するために企業ごとに工夫する必要があるでしょう」と日置氏は言う。
 最後の質問はメガトレンド情報の活用。メガトレンド情報について、「重要性は高く戦略策定等の基礎としている」との回答が57%、「重要性は認識しているが活用していない」が42%、「重要性は低く活用する必要はない」が1%だった。
 人口の動向や新興国の台頭、環境や資源などに関するメガトレンド情報の概要については、国連機関などの予測があり出版物も多い。問題はそれをいかに経営戦略に反映させるか。また、そのスピード感だろう。日置氏は「CFOにとって足元の確実な情報は大事ですが、企業の長期的な成長を目指すには、将来の不確かな情報を独自に解釈してリスクをとる覚悟も求められます」と話す。
 今回のインタラクティブ・セッションを概観して、久世氏は語る。
「従来、事業とその結果について、数字を通してステークホルダーとコミュニケーションするのがCFOの仕事でした。現在のCFOにはそれに加えて、事業の社会的な価値を、メッセージ性のある言葉で伝えることが求められています」
 これまで以上に重責を担うCFO、そのCFOに伴走するトーマツグループの役割もますます大きくなっている。

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有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイト トーマツ ファイナンシャル アドバイザリー株式会社、税理士法人トーマツなどを含む。

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