グループ・ガバナンスの要
CFOに求められる役割

デロイト トーマツ グループ CFOプログラム

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CFOが、企業成長のための
ガバナンスを担う

 パネルディスカッションの後半は、各社CFOがキーワードをベースに、グローバルでのグループ・ガバナンスについて議論した(下表参照)。宮島氏からは、「集権化か、分権化か」「各子会社の事業をどう評価するか」といった問題提起がなされた。

 リコーの瀬川大介氏は、こう語る。

「当社は1995年の大型M&Aを皮切りに、特に欧米での販売チャネルを強化しました。グローバルにおけるガバナンスは大きなテーマです。以前は日本人を現地の経営に送り出すというスタイルだったのですが、最近は現地の人にマネジメントを任せるという傾向が強まっています。その意味では分権化ですが、一方でモニタリングも欠かせません。本社は各子会社の目標達成に向けた取り組みを信頼する。そのうえで、共通のメジャメントによるモニタリングを行うというやり方です」

 次に、日本たばこ産業の見浪直博氏。同社は1999年にアメリカ・RJRナビスコの米国外のたばこ事業、2007年にイギリス・ギャラハーを買収。これらの大型M&Aを経て、一気にグローバル化を進めてきた。

「海外事業のガバナンスやオペレーションは、1999年以来ほぼ一貫した体制で行っています。つまり、スイスに設立したJTI(Japan Tobacco International)が海外事業を統括するというかたち。海外事業に関してはJTIが責任を持ち、そのパフォーマンスについては東京・スイス間でKPIをベースに議論しています。国や地域からJTIへ、そしてグループの全体最適という『全体最適のエスカレーション』の考え方を重視しています」

 キリンホールディングスもまた、海外でのM&Aを積極的に行っている。同社の伊藤彰浩氏は次のように語る。

「ビールや飲料などの分野では、消費者の嗜好、求めるものが絶えず変化します。したがって、変化を察知しやすい場所、消費者に近い地域に権限を委譲するスタイルが適しているように思います。連邦経営と称していますが、同時に常日頃からモニタリングは行っています。私自身、地域統括会社のCFOとはホットラインで常に状況を把握するようにしています」

デロイト トウシュ トーマツ リミテッド
グローバルボード副会長
小川陽一郎氏

 事業環境が常に変化している以上、ガバナンスに正解はない。とはいえ、3人のCFOは環境変化を肌で感じながら、最適解に近づこうとしている。

 以上のような議論を受けて、最後にモデレータを務めたデロイト トウシュ トーマツ リミテッドの小川陽一郎氏は「宮島先生が言及された『成長のためのガバナンス』という視点も含めて、ガバナンスの重要性はますます高まっています。CFOの役割も同様」とコメント。今後とも、企業とCFOを全力でサポートする考えを示した。

 

 

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