ユニリーバ:成長と持続可能性を両立させる
新しいマーケティング

ユニリーバCMOキース・ウィード インタビュー

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ユニリーバは卓越したコンテンツ・マーケティングで名高いが、同社のマーケティング戦略は「持続可能性の追求」と一体化することで成果を上げている。一見相容れないように思えるこの統合について、同社CMOのキース・ウィードが語る。本誌2014年10月号特集、「2020年のマーケティング」関連記事。

 

 マーケティング革命が進んでいる。大きく変わりつつあるCMO(最高マーケティング責任者)の役割には、それが最も顕著に表れている。ユニリーバのCMOキース・ウィードは、売上げを倍増させながら環境への負荷を半減させる、という計画を策定し推進するリーダーとして、新たなCMO像を体現している。本インタビューでウィードは、新たなマーケティング組織のあり方、そしてますます戦略性が高まるCMOの役割について語る(聞き手:HBRシニア・エディター、ガーディナー・モース)。

――あなたの職務内容は、CMOとしては珍しいものですね。マーケティングとコミュニケーションを統括しながら、持続可能な事業の追求も担っておられます。

 構想の発端は、CEOのポール・ポールマンです。彼が(ネスレから)ユニリーバに着任した頃、私はランドリー&ホームケアのグローバル事業と、世界各地の水事業を同時に率いていました。そのなかで私が尽力していたことの1つは、持続可能なソリューションです。特に洗濯水のことを考えていました。洗濯は家庭における水使用の最も多くを占めます。当社が水事業を広く展開している新興国市場では、人々は水を汲むために多くの労力やお金をかけなければなりません。ですから、持続可能性について私はその頃から重視してはいたのです。

 ポールマンはユニリーバに来てすぐに、成長と持続可能性の両方を中核に据えた、新しいビジョンとビジネスモデルの策定に着手しました。マーケティングと持続可能性を組み合わせるのはなぜかといえば、まず事業を成長させるためには優れたマーケティングが必要です。成長を持続させるのは顧客の需要であり、需要創出はマーケターの日々の仕事です。しかし資源に限りがあるこの地球では、成長を持続させるには需要創出だけでは足りないのです。もちろん経済的な持続性は必須ですが、同時に環境面、社会面でも持続可能でなければなりません。ポールマンは「これらの課題を統合しよう」と言って、そのビジョンとモデルに沿って成果を上げる仕事を私に託したのです。

――どのように実行したのですか。

 最初に2つのことに着手しました。まずは計画の策定です。事業規模を倍増させながら、社会へのプラスの影響を強め、環境への負荷を減らす――これを実現するための戦略を明確にしました。この計画は最終的に「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」に結実しました。次に、「クラフティング・ブランズ・フォー・ライフ」という新たなマーケティング戦略を立ち上げました。これにはたとえば、ブランド・ポジショニングの再定義などが含まれます。消費財企業が軽々しくできることではありません。個々のブランドに、社会的な意義を明確にすること、そしてユニリーバ・サステナブル・リビング・プランにどう貢献するか表明することを求めたのです。

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