顧客を惹き付ける
真のコンテンツ・マーケティングとは何か

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優れたコンテンツ・マーケティングとは、啓蒙活動によって顧客の問題を解決することであるともいえる。それを示すアドビ、DPR、ホーム・デポの事例を紹介する。本誌2014年10月号特集、「2020年のマーケティング」関連記事。


 優れたコンテンツを一瞬でひねり出せる者はいない。人々の関心を惹くストーリーやイメージを生み出すには、顧客が今日明日に直面する重要度の高い問題をじっくり検討し適切な知見を見出す作業を、持続的に行う必要がある。

 アドビが新たに実施したコンテンツ・マーケティング戦略について考えてみよう。数年前、同社の主力事業であるグラフィック関連のアプリケーションは、フリーソフトを含む新たな競合との厳しい争いに直面していた。アドビの幹部たちは一丸となって、顧客にとって最も深刻なグラフィック関連の問題は何か、というテーマに立ち返り検討した。そして、オンラインの販売業者は見栄えのするウェブサイトを掲げてはいるものの、蓄積した消費者データをウェブページに反映させて売上げを伸ばす試みは行っていないことに気づいた。そこでアドビはプラットフォームを開発するために、研究開発に投資し、アナリティクス関連の企業をいくつか買収することにした。完成した新たなソリューション、〈マーケティング・クラウド〉を導入することで、企業はウェブサイト上で適切なイメージを適切な顧客に、適切なタイミングで見せることが可能となる。

 その後アドビは、コンテンツ・マーケティングを積極的に展開した。20人以上の専門家で構成されたチームが世界中を巡り、ブログを投稿し、デジタル・マーケティングのフォーラムで講演した。eコマース、変化の激しいオンライン環境、あるいはアナリティクスといった話題について企業が意見を交わす場に、アドビは必ず参加しようとした――単にスポンサーとしてではなく、知見の提供者として。これらの知見は、プラットフォームの研究開発、およびそのアーリー・アダプターによるデータから得られたものである。

 販売業者たちは、アドビの話に熱心に聞き入った。一連の啓蒙活動が効果を奏し、同社はこの分野におけるリーディング・カンパニーと認められた。いまやマーケティング・クラウドはアドビの最大の収入源であり、(ソフトをパッケージ販売からサブスクリプション型に移行したことも相まって)同社の株価の急上昇に貢献している。

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