リンクトインに見る
次世代プロフェッショナル人材の要件

杉本隆一郎(リンクトイン・ジャパン 日本オフィス代表代行)
×石倉洋子【特別対談2】

1

石倉洋子・一橋大学名誉教授がさまざまな分野で活躍している次世代リーダーたちとグローバル人材の要件を探る対談シリーズ2回目は、全世界で3億人以上のプロフェッショナルが登録し、ビジネスに特化したSNSとして確固とした基盤を築いた「LinkedIn(リンクトイン)」の日本オフィス代表代行である杉本隆一郎氏を迎え、グローバルプロフェッショナルの要件や、新しい仕事の姿について聞いた。

ビジネスに特化したSNSが
なぜプロたちの注目を集めるのか

石倉 日本での登録者が100万人を超えたとはいえ、まだリンクトインを詳しく知らない読者もいると思われるので、まず事業概要から紹介してください。

杉本隆一郎
リンクトイン・ジャパン
日本オフィス代表代行

1975年生まれ。上智大学卒業後、タイタス・コミュニケーションズ(現ジュピターテレコム)入社、人事部に配属。その後、MTVジャパン、楽天などで数千人の中途採用に関わる。楽天では海外進出を見据えた採用戦略の策定と実践をリード。2012年リンクトイン日本法人立ち上げに人事責任者として参画し、2013年4月より現職。

杉本 リンクトインのミッションは、「世界のプロフェッショナルの生産性を高め、成功するようにつないでいく」ことにあります。具体的には、ユーザーがプロフィールで仕事の経歴やスキルといった情報を公開し、ネットワークの中で個人同士、あるいは個人と企業が、求人や商談などビジネス上のつながりを得ることができる、ビジネスに特化したSNSです。
 2003年5月にアメリカでサービスが始まり、現在、世界で23の言語に対応し、世界200以上の国や地域の3億人以上のプロフェッショナルが登録しています。このうち学生の登録者数は3900万人を数えます。米国外の登録者が全体の67%を占めており、アジア太平洋地域では約5600万人以上。日本では2012年からサービスを開始し、2013年末で登録者数が100万人を突破しました。

石倉 具体的なサービスとしては、どのようなメニューがあるのですか。

杉本 まず個人向けには3つの特長があります。1つめは、経験やスキルなどをまとめた「自己紹介ツール」のリンクトインプロフィールがあります。このプロフィールには、プライベートの写真や日常の生活情報は掲載せず、あくまでもプロフェッショナルの自分を知ってもらうためのツールになります。

石倉洋子
一橋大学 名誉教授

 2つめは、ビジネスの機会を生み出す「つながり」があります。ビジネス上のパートナーの情報や的確な情報収集先を求めて検索したり、コンタクトをすることからつながりが生まれます。仕事で力になってくれそうなスキルや情報を持つ人材や、同じ大学の出身者で同じ業界を探すことも可能です。特にリンクトインでは、年間57億回の検索がされており、人探しのためのタウンページのように使われています。このように、仕事を一緒にする人を探し、つながっていくことができます。
 最後に、「情報収集」の機能もあります。世界300万以上の会社がリンクトイン内で運営している「会社ページ」にアクセスして、ユーザーが自社や競合他社、取引先など自分に関連性の高い企業が発信する情報をフォローできます。提携先のメディアが世界で話題になっているニュースやトレンドを配信する「LinkedIn Pulse(リンクトイン・パルス) 」では、つながっている人の間で話題になっているものをチェックする機能があります。また政治や経済、経営の分野のプロフェッショナルたちが自分のオピニオンを発信するミニブログ「インフルエンサープログラム」には、オバマ大統領やビル・ゲイツ氏、楽天の三木谷社長など500人以上が参加しており、多様な経験を披露しています。

石倉 法人向けのサービスは?

杉本 採用、広告、営業の3つが柱です。採用では、リンクトインの登録者から必要な人材を検索して採用につなげてもらいます。広告では、企業や役職などの条件を絞り込み、個人や法人向けの商材を効果的に訴求するサービスを展開しています。そして営業は、登録会員のネットワークを活用して新規顧客に効率よくアプローチするためのサポートを展開しています。例えば、リンクトインを活用すれば、代表電話からアポイントの電話をするのではなく、取引先のキーパーソンを絞り込めますし、先方も依頼してきた営業担当者のプロフィールを事前にチェックできるので、「こういう人ならば会ってみようか」と思っていただけるので、アポイントの成立までのプロセスを簡略化することにつながります。

次のページ  セルフブランディングの重要性»
1
Special Topics PR
Accelerator 関連記事
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS