マネジャーとして優秀な人と
リーダーとして優秀な人は違う

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経営者に必要なのは、リーダーシップとマネジメント力。しかしこの両者を兼ね備えるのは難しく、日本の経営者にはリーダーシップに欠ける人が多い。なぜ、日本の経営者にリーダーシップが欠けるのか。それは企業の人事制度の問題でもあるのではないか。

 

経営者の仕事とは何か

 随分昔に読んだ本ですが、ヘンリー・ミンツバーグの『マネジャーの仕事』という本があります。この本でミンツバーグは、実際に経営者と呼ばれる人はどのような仕事に時間を取られているか、分刻みで調べます。そこでわかったことは、意思決定などの重要な仕事よりも、会議や打ち合わせなど、多種多様なコミュニケーションに時間を取られているということです。斯様に経営者の仕事は多岐にわたり、それが「忙しい」と言われる所以です。

 最近お会いしたトップの方々からたて続けに聞く言葉が「経営者は大きな目標を掲げる」ということです。日本電産の永守さんやソフトバンクの孫さんを引き合いに出すまでもなく、経営者は組織が向かうべき、方向性やビジョン、そして高い目標を示すことで、組織全体が動くよう鼓舞します。

 ただし組織は方向性を示すだけで動くものではありません。実際の役割分担や仕事の調整、また継続的に仕事を回すPDC(Plan=計画→Do=実行→Check=検証)サイクルを回し、さらなる業務の効率化をすることも必要です。これらすべてがマネジメントと呼ばれる業務です。これを一人の経営者がこなすことは相当大変なことです。事業が一つであればまだしも、複数の事業を抱える一般的な企業の経営者は、どれだけ優秀な人でも無理でしょう。そこで多くの経営者は、マネジメント業務を分散させるためにマネジメント・チームを作ります。

 つまり経営者には、組織や事業の方向性を決めて先導するリーダーシップと、それを組織として実行させるマネジメント力の両方が求められます。その上で、日本の経営者には優れたマネジメント力を持ちながらも、リーダーシップ力をあまり発揮できていない人が多い傾向を感じています。

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