天才たちは「毎日の習慣」で生産性を高めた

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ベートーベン、ディケンズ、ヘミングウェイ、ウォーホル――偉人たちの成功の秘訣は、「毎日の習慣」にあったという。生活のリズムと規律を守ることで、パフォーマンスを高めていたと考えられる。現代の多忙なプロフェッショナルにも示唆を与えてくれる、天才たちの日課を紹介する。本誌2014年9月号(8月11日発売)の特集、「一流に学ぶハードワーク」関連記事。


 中世スペインの探検家、ホアン・ポンセ・デ・レオンが生涯にわたって「若返りの泉」を探し求めたように、私は人生を通して「理想的な日課」を探し求めてきた。しかし、昔ながらの色分けされた紙製の手帳が、クラウドベースのスケジュール管理アプリに取って代わられたいまもなお、私は毎日の決まった過ごし方(ルーチン)をなかなか確立できずにいる。日々の変化が激しく、毎日が雄牛を操るロデオのように予測不能で、瞬く間に終わってしまう気がするのだ。

 そんなわけで私は、最近出版されたDaily Rituals: How Artists Work(毎日の習慣:芸術家たちの仕事術)という本に興味を引かれた。著者のメイソン・カリーは、古今東西の画家や作家、作曲家、哲学者、科学者、さらには優れた思想家など161人の日々のスケジュールを紹介している。

 私はこれを読んでいるうちに、天才たちにとって毎日の習慣は余暇的な活動ではなく、仕事に不可欠なものだったと確信した。著者のカリーはこう述べている。「決まった日課を行うことで精神のエネルギーを一定に保ち、気分のムラを防ぐことができる」。同書は興味深い知識を寄せ集めたトリビア本で、ハウツー本ではないが、私はあることを発見した。酒や覚醒剤に頼らず、自己管理によって健康な暮らしを送った天才たちは、共通するいくつかの習慣を持っていた。これらによって、生産性の高い毎日を過ごすことができたのだ。

●気が散らない仕事場にする
 ジェイン・オースティン(イギリスの女流作家)は、執筆中に誰かが仕事部屋に近づいてきたことを知るために、特定のドアのキーキーと鳴る蝶つがいに決して油を差さなかった。ウィリアム・フォークナー(アメリカの文豪)は、書斎のドアに錠がなかったため、ドアノブを取り外して部屋に持ち込んだ。パーティションで間仕切りされた大部屋で働く現代人には、とうていかなわぬ話だ。マーク・トウェインの家族は、彼に用がある時は部屋のドアを開ける代わりに角笛を吹いた。グレアム・グリーン(イギリスの文豪)はもっと極端で、秘密のオフィスを借り、そこの住所と電話番号を妻にしか教えなかった。N・C・ワイエス(アメリカの挿絵画家)は他人に邪魔されることより、窓の外の様子に気が散る性質だったので、集中できない時は厚紙を窓に貼りつけて見えなくした。

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