メール管理術いろいろ:
本当に効果があったのはどれ?

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メール管理の指南やツールは数多くあるが、どれが本当に効果があるのか。HBRエディターのサラ・グリーンが、さまざまな方法を試した個人的体験を報告する。そこから見えてきたのは、メール管理とは時間管理でもあり、個人のコミュニケーション哲学に基づくものでもあるということだ。本誌2014年9月号(8月11日発売)の特集、「一流に学ぶハードワーク」関連記事。


 1635年に英国王チャールズ1世は、グレートブリテン島の郵便配達サービスを公共化し国民に普及させた。当時の郵便料金は、手紙の重さに基づいて受取人が支払うシステムだった。ヘンリエッタ大叔母さんがあなた宛に、なぜいまだに結婚しないのかと尋ねる手紙を10ページにわたって書き連ねたとしよう。英国ほぼ全土を網羅したこの制度の下では、その手紙を受け取るという特典の代価を支払うのはあなただった。1840年になってようやく、英国の郵便は差出人が料金を前払いする制度へと移行した。

 私はeメールをチェックする時に、しばしば上記の事実に思いをはせる。メールの責任と負担を負うのは発信者側であるべきで、受信者がメールに悩まされるのはおかしい。これが是正されるまで、200年もかからないことを望む。だがそれまでは、受信者が何とかするしかない。しかもほとんどの場合、20世紀の企業幹部たちが頼りにしたような事務的サポートなしにである。

 2年前、このような状況に苛立っていた私はこのサイトで心の叫びをブログ記事に書き、受信トレイから逃れられないという嘆かわしい状態に不満をぶちまけた(英文記事)。悩みの種を公にすると、思いがけない副次的影響があった。役に立つかもしれない秘訣やツールについて、人々から助言が寄せられるようになったのだ。以来数カ月にわたり、私はさまざまな方策を試してみた。巷でよく勧められている方策のいくつかは私にはまったく役に立たなかったが、功を奏したものも少数ある。

 ヒドラの首のように増殖し続けるメールを制するために、私たちは一致団結すべきではないだろうか。そこで以下に、私が試して功を奏した方策と、効果がなかったものを報告する。主な特徴として、成功した方策のほとんどはメールそのものとはあまり関係がなく、むしろ一般的な時間管理術の要素が強いということがいえる。ただし注目すべき例外が2つあった。

功を奏した方策

●「メールは本来の仕事ではない」と考えるのをやめた。情報経済では、メールは本来の仕事である。そこで私は意識的に、メールは重要な仕事を邪魔するものだと考えるのをやめ、関係構築(私にとって真に重要な仕事だ)の一環と見なすことにした。ひとたび発想を転換すると、以前よりもメールの時間をつくりやすくなった。

●メールをTo Doリストのように使うことをやめた。これまでは、重要なメッセージに未読マークを付けて、後で忘れずに処理しようとしていた(しかしすぐに、新着メールの山に埋もれてしまう)。さらには、やるべきことをメールで自分宛に送信していた。また、紙のTo Doリストや、いくつか異なるタスク管理アプリを試したりもした(そのなかにはタスクをRPG化して、クエストとして遂行していくというアプリもあったが、レベル4を1度も超えず凡庸なままだった)。最終的に、私は〈トレロ〉というタスク管理ツールに行き着いた。というのも、このツールは非常にシンプルで、アプリとデスクトップの統合が素晴らしいからだ。

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