編集者に必要な知恵は
すべて小学校で学んだ

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お盆の最中に仕事をしながら考えたのは、小学生時代のこと。いまから思えば、当時から編集者らしいことをしていたことを思い出した。それはネット社会の原理と同じことを小学校で実践していたとも言える。

 

とにかく忘れ物が多い、問題だらけの小学生時代

 月刊誌の編集者は、8月であろうと仕事の量が減ることはありません。お盆も普段通り仕事をしていました。とはいえ、夏休みの季節は肌で感じることから、小学生のころを思い出すことが多いです。そんな中、自分の編集者の原点は小学生時代にあったと思うようになりました。

 私が小学1年生のころ、忘れ物が多い子供でした。クラスでは教科書を隣の生徒に見せてもらうなど日常茶飯事。絵や習字の道具、さらにリコーダーや三角定規など、ありとあらゆる忘れ物をしていました。小学生ながら恥ずかしかったのですが、直りません。そのため通信簿の「忘れ物をしない」の欄はいつもC、親にひどく怒られたのを今でも覚えています。

 3年生ごろになり少しずつ忘れ物が減るようになりました。それは、毎日、学校にすべての教科書を持っていくようになったからです。これで毎朝、時間割を見る手間がなくなりました。ただし、まだまだ忘れ物のある日常は続きました。

 4年生になると、同じ学年の他のクラスの友達に「借りる」という術を覚えました。1年から毎年クラス替えがあると、他のクラスに友達ができてきます。習字の道具を忘れても他のクラスで習字の授業があれば、そのクラスの友達に借りることができます。借りるのは恥ずかしいですが、これを覚えて授業中に怒られる回数は劇的に減りました。このころは、自分のクラスの時間割だけではなく、同じ学年のすべてのクラスの時間割が頭に入っていたので、ほぼいつでも誰かに借りることができるようになりました。学校には何も持っていかなくなりました。

 5年生になると面白い現象が起きるようになりました。これまで貸してくれた友達が忘れ物をした際、私のところに相談にくるようになったのです。こちらも借りのある相手ですので、自分の人脈から貸してくれる人のところに行って「彼に貸してくれないか」と必死に仲介します。こうして、噂が噂を呼び、毎日のように他のクラスからも忘れ物をした子供が、私のところに借り先を探してほしいと来るようになりました(決して私自身が貸してあげることはできませんでしたが)。この頃、休み時間には、他のクラスへと走り回っていたので、とても忙しかったのを覚えています。

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