人材輩出企業GEの人事評価制度の秘密

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人材輩出企業として定評のあるGE。その背景の1つに、綿密な人事評価制度が挙げられる。人材の評価と育成において、同社の核となるものは何か。それは独創的なツールなどではなく、人材に対する「リーダーの深い関与と議論」であるという。


 我々ゼネラル・エレクトリック(GE)は卓越したリーダーを育成する企業として注目される。多くの企業が当社と同じような人事評価制度を採用している。しかし我々の制度を視察に来るマネジャーたちと話をするうちに、私はあることに気がついた。当社と彼らのアプローチの違いは、評価の形式や方法、ツールやテクノロジーではなく、業績と企業の価値観(バリュー)について十分に議論を交わしているかどうかなのだ。議論や対話を重ね、時間をかけて人材を十分に理解し、業績とリーダーシップの両面に基づいて評価することを、当社は他のいかなる仕組みよりも重視している。人材に関する話し合いに組織とリーダーが膨大な時間をつぎ込むことが、我々の人事評価制度の核となっている。

 人事評価プロセスを管理する立場にある私は、最前線でその場を目にする機会に恵まれてきた。その中で私が学んだことは次の通りだ。

●個人の業績評価に十分な労力を注ぐ。 直属の部下の業績、価値観の実践度、強み、要改善点、育成計画――マネジャーは、これらに関する綿密な話し合いの準備に十分な時間をつぎ込むことを求められる。たいていの社員は、マネジャーや会社のために年間1800時間以上を費やしている。だとすれば、部下の成長をサポートする一貫として、マネジャーには業績評価について考え、部下と話し合う時間を最低でも数時間は確保するのは当然である(この点については、後ほど詳述する)。人事評価は、率直かつ建設的な対話をする大切な機会とされており、社員は当然ながらその恩恵を受けるべきなのだ。

●マネジャーによる評価やフィードバックが、部下を正しく評価していないと思われる場合は、マネジャー自身が上司から疑問を投げかけられることも珍しくない。 公正なフィードバックが行われていないため、上級幹部が評価を突き返すケースは珍しくない。こうした食い違いは本来、起きてはならないものである。人事評価は社員だけでなく、マネジャー、そして人事マネジャーの能力も反映される。複数の階層が人事評価に関わることで、公正かつ包括的な評価内容となっている。

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