イノベーションに対する「本気度」を
チェックしよう

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イノベーションが重要だと、誰もが口にする。しかし、実際のところ、どれだけ本気で取り組んでいるだろう。数分で簡単にチェックできるクイズをアンソニーが紹介する。ここにはイノベーションの要諦が集約されている。


 今日、イノベーションとはどれほど重要なのだろうか。上場企業による証券アナリスト向けの業績発表に登場する言葉の頻度で判断するならば、その重要度は年々高まっている。2008年、大手上場企業435社の業績発表では、「イノベーション」という言葉は1733回使用された。1社当たり平均4回の計算になる(スターバックスの139回が最多)。一方、データが入手できる直近(本記事執筆時の2013年9月以前)の4四半期では、その数は3299回となり、1社当たり平均7.5回である(最近、世界で最も革新的な企業として挙げられたナイキが最多で239回)。

 しかし、イノベーションについて口にするだけでは、その会社が実際に真剣にイノベーションに取り組んでいることにはならないし、成功がある程度見込める方法で取り組んでいることにもならない。

 イノベーションには継続的な、深いコミットメントが求められる。それが新たな市場やビジネスに乗り出すものであれば、なおのことだ。だがこの数年、我々イノサイトはさまざまな業界の企業とともに仕事をしてきて気づいたことがある。自分は真剣にイノベーションに取り組んでいる、と考えている企業幹部の多くは、実際には単に興味本位で手を出しているにすぎないのだ。イノベーションに興味を持つこと、さらには試す段階まで進んでみること自体は、悪いことではない。ただし、真剣な関与なくして大きなリターンは見込めないことを認識しているならばの話である。

 残念ながら、イノベーションは創造性やアイデア出しと混同されることがあまりにも多い。そのため多くの企業は、自社のイノベーションへの決意や関与を過大評価している。そして、創造的なアイデアが実際の成長事業へと発展せず、大きく落胆することになる。拙著Building a Growth Factory (未訳)で述べたように、真剣なコミットメントには通常、①専用の経営資源、②規律的なアプローチ、③幹部の深い関与、の3つが(他の何よりも)必要だ。これらによって、多くの企業が直面する以下のような実行面の課題を克服できる。

●多忙なマネジャーたちが隙間時間で取り組むため、イノベーションが遅々として進まない。

●革新的なアイデアを、意図せずして既存事業の型に無理やりはめてしまう。そしてアイデアが秘めていた長期的な可能性が失われる。

●従業員は、「成功の見返りはきわめて少ないが、リスク(十分な検討に基づくものであっても)を取って失敗した場合に払う代償は甚大である」と考えているため、取り組みが慎重になりすぎる。

 では、自社がどれだけ真剣にイノベーションに取り組んでいるかを知る方法はあるだろうか。ファッション誌によくあるようなお遊びのクイズに倣い、我々も質問を考えてみた。同僚を見つけて、次の7問のクイズをやってみよう。

1.社内でイノベーションに取り組んでいるのは誰ですか?

a.イノベーション・・・・・・何それ?(これを選ぶ人は、ここでクイズを終了したほうがよい)。

b.特定の時間をイノベーションの取り組みに使っている人たちがいる(たとえば「金曜日は自由に発想する日」などの制度がある)。

c.すべての時間をイノベーションに捧げている人たちがいる。

2.彼らは見返りに何を得ますか?

a.苦痛。その人に課された仕事だからやっているだけ。もし失敗すれば、評価が下がる。

b.名声。成功すれば、彼らは脚光を浴びる。

c.財産。わが社にはイノベーションを奨励する具体的なインセンティブ制度がある。

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