かけがえのない一度きりの人生で、
あなたは何をしますか?

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前回の記事で企業のミッションのあり方を論じたマキューンは、今回は個人のキャリアに焦点を当てる。1人のウェブデザイナーの生き方を通して見えてくるのは、「自身の使命とキャリアを融合させる」ことの意味だ。


 ウェブデザイナーのベン・ブルーメンフェルドは、大手テレビ局で主力番組のウェブサイトを制作していた。ある時、彼は番組の視聴率の急上昇につながる画期的な成果を上げたが、それが予想外の形でベンを悩ませた。彼の成功は、より多くの人がより長時間テレビを見て過ごすことを意味するわけで、突き詰めるとそれがよいこととは思えなかったのだ。

 このことはベンの転機となった。彼は自分のキャリアを、自分自身――そして自分が重んじる価値観、理想、原則――と切り離して考えるのはやめようと心に決めた。「地域社会にプラスの影響を与える」ことを信条とする彼は、自分の日々の仕事がそれに見合っていないと気づいた。いまこそ、使命に基づくキャリアを進むべきだ。

 そう考えていた時、ベンはジェフ・ハマーバッカーからの電話を受ける。ジェフは、800万人の学生ユーザーを擁するシリコンバレーの新興企業のマネジャーだった。ぜひカリフォルニアに来て、ここで働く仲間と会ってみないかと言う。後日同社を訪れたベンが、社会にプラスの影響を与えたいという思いを語ると、そこのCEOは断言した。自分たちの事業は、人類のコミュニケーション方法そのものを変える。文化、政治的差異、国境をまたがるコミュニケーションが可能となり、文字通り世界を1つに結びつけることになる――。

 このCEO、マーク・ザッカーバーグは頭がおかしいか、あるいは真のビジョナリーのどちらかだとベンは結論に達した。彼は私にこう語った。「私がいようといまいと、マークが会社を拡大するつもりであることはわかっていました。デザインチームに会ってみると、ただ圧倒されるばかりでした。どのデザイナーも、デザインと技術の両方でめちゃくちゃ有能だったんです」。そして、ベンはこの新事業に参加することを決めた。

 やがて、フェイスブックがユーザー数800万人から約10億人の企業へと成長する過程で、ベンはコミュニケーション・デザインのチームを率いるようになった。1つひとつのプロジェクトのスケールが、現実離れしているように感じられたという。「数百万人という単位で測られる実験をデザインするのは、奇妙な経験でした」。しかし、これほど多くの人々をつなぐことのできる能力は、自分の目標――世界にプラスの影響を与えるという意志と、キャリアとの融合――を貫くための大きなチャンスであることもわかっていた。

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