急成長中のタクシー配車サービス、
Uberのアキレス腱

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本誌2014年7月号の特集は、「良い価格 悪い価格」。最適価格を見出す体系的な方法や、価格設定の新たな潮流を紹介する。HBR.ORGの関連記事第1回は、配車サービスで急成長中のUber(ウーバー)が抱える課題について。需要に応じて運賃を変動させるモデルは非常に秀逸だが、価値提案を明確な形でアピールする必要がある。


 ブランドを構成する重要な要素に、価格設定がある。あなたはお気に入りの販売業者の価格設定を、どのように感じているだろうか。プレミアム、相場並み、それともお値打ちだろうか。価格はブランドイメージを左右するため、予想外の価格設定はブランドを傷つけることがある。2007年、アップルがiPhoneの発売後たった68日で、599ドルから399ドルに値下げした時の騒動を覚えているだろうか。

 配車・相乗りのサービスで急成長中のUber(ウーバー)が現在直面している最大の課題は、ブランドにおける価格の役割を顧客に理解されていないこと、そして受け入れられていないことだ。ウーバーは、需要に応じて価格を変動させる。正規の運賃は一般的に、競合相手(タクシー、あるいはセダンや高級車、SUVの配車サービス)よりも大幅に安いため、消費者に歓迎されている。問題は、ピーク需要時の価格の急騰で、時に平常運賃の8倍にも上る。ウーバーは、この高額な運賃を適切な言葉で正当化できておらず、価格戦略を明らかにしてこなかった。

 プライシングのコンサルタントで、頻繁にウーバーを利用している私でさえ、同社の矛盾したメッセージには以下のような疑問を抱いている。

●ウーバーは低価格サービスなのか? たとえばボストンで展開されている〈ウーバーX〉という割引サービスは、タクシーよりも30%割安だと謳っている。その宣伝文句は、運賃が(需要次第で)上がる可能性についてまったく触れていない(それどころか、「ウーバーXはいまなら1日24時間さらにお得」とまで言い切っている)。

●ウーバーは市場提供者なのか? 同社はピーク時の割増運賃について、単に需要と供給をマッチさせているのだと説明している。運賃を上げれば、それだけ多くのドライバーにとってサービスを提供するインセンティブとなる。

●他の企業と同じように、市場の適正価格でサービスを提供しているのか? ウーバーは最近、バレンタインデーにサンディエゴで意図的に配車を制限していたことを認めた(これは割増期間の延長につながる)。その理由は、一部の(新たに加わった)ドライバーの稼ぎを増やすためだったという。

 このような明瞭性の欠如は顧客に不満を与え、評判を落とし、成長を脅かすことになる。ではウーバーはいま、何をすべきなのか。

 1つの解決策は、ロックミュージシャン、キッド・ロックのコンサートチケットの価格戦略に倣うことだ。

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