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異文化でリーダーシップを執る
日本人の育成は喫緊の課題(後編)

落合文四郎 アルー代表取締役社長

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「世界のビジネスシーンでリーダーシップを発揮できる人材の輩出が急務」というアルーの落合文四郎社長は、パラダイムシフトを恐れず、多様な価値観を受け入れることができる人材の育成支援に力を入れる。前編に続き、河尻亨一氏が同社成長の根幹となる落合社長のビジョン、そして「経営美学」を聞いた。

新卒にも即戦力を求める外国企業
日本式の人材育成は世界のレアケース

河尻(以下色文字):前回は“言葉のキャッチボール”の強化に特化した英語学習サービス「ALUGO」に込められた思いや、「100本ノック」「習うより慣れろ」といったアプローチ方法の重要性についてお話をうかがいましたが、同時に落合さんは「異文化理解」の必要性を強調されています。

落合 文四郎 Bunshiro Ochiai
アルー代表取締役社長
東京大学大学院理学系研究科修了後、ボストン コンサルティング グループ入社。国内大手通信会社の新規事業立ち上げ支援、国内中堅企業向け人事制度構築や国内一部上場食品メーカー向け人事制度基本コンセプト策定などのプロジェクトに参画。2003年10月、エデュ・ファクトリー(現アルー)を設立。現在、海外新規事業開発、中国・インド・シンガポール事業(現地法人)、グローバル人材育成を統括。

落合(以下略):コミュニケーション手段としての語学力は大切ですが、それを身に付けた上で異なる文化を理解し、現地の人と恊働したり、リーダーシップを発揮できる人材を育成することが、さらに重要だと私は考えています。

 日本企業は所属メンバーの同一性を重視する傾向があります。俗にいう「和」を大切にする文化ですね。しかし、海外に行くとまったく異なる価値観を持つ人々と一緒に働くことになり、その際のギャップが組織の問題として顕在化するケースも見られるのです。

「和」という言葉で表される日本の企業風土そのものには、私は一定の合理性があると考えています。トップダウンで一気に意思決定を行うのではなく、組織の人間関係に細かく配慮しながら合議を重ね、そのプロセスの中で落としどころを探って行く。日本のビジネスでは、そういったやり方で成果を上げることができると思います。

 いわゆる日本的組織やマネジメントについてはデメリットが指摘されることも多いですが、多くの会社がそのスタイルで成功してきたともいえますね。

 そうです。なかでも長期的雇用を前提とする経営は日本ならではの良さだと思います。そのことで企業は人材に投資しやすくなります。新卒を一括採用し、若いうちから人材育成に投資する国はアジア圏でも珍しいです。

 新卒だろうと中途だろうと、即戦力を採るのがグローバルスタンダードです。個人には自身でなんとか経験を積み、自ら能力をアピールすることが求められます。つまり、自分で自分に投資するのがグローバルで見たビジネスの常識です。当社の海外事業所現地社員のなかには、週末に大学院に通う者もいます。

 日本と海外のどちらが良いか悪いかではなく、会社と個人の関係一つ取っても考え方がまるで違いますから、そこに日本のマネジメントスタイルを無理やり当てはめようとするとうまくいかないということなのです。ですからマネジメントの意識を変え、各国のスタイルに対応できるマネジャーを育成したりプールする必要があるのです。

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アルー 概要
2003年設立。企業に「グローバル人材育成」「組織開発」「教育研修」の3つのコンサルティングサービスを提供し急成長中。06年に現在の「アルー(alue)」に社名変更。「alue」は、「all the possibilities(あらゆる可能性)」という英語からの造語。現在は、日本、中国、インド、シンガポール、フィリピン、インドネシアのアジア6カ国(8都市)に拠点を構える。