高業績企業には「勝てる組織文化」がある

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ベイン・アンド・カンパニーによれば、多くの企業は文化を「従業員に自社を好ましく感じさせる方法」としか捉えていないという。一方で卓越した企業は、文化を業績向上に不可欠なものとしている。勝てる組織文化(winning culture)を構成する7つの要素を事例とともに紹介する。本誌2014年6月号(5月10日発売)の特集「最強の組織」関連記事、第3回。


 企業文化は業績に大きな影響を与える。また、組織を一致団結させるものであり、他企業が最も真似しにくいものでもある。結果として、文化は競争優位を生み出し続ける源泉となる。以下の例を考えてみよう。

●腎臓透析サービスを提供するダビータの共同会長兼CEOケント・ティリは、企業理念を重視する文化を築き、勢いのなかった同社を世界でトップクラスの腎臓透析企業に育てた。

アラン・ムラーリーは、フォード・モーターに協力の精神を根付かせて団結と再活性化を図り、長年にわたり低下し続けていた同社の市場シェアを上昇に転じさせた。

サウスウエスト航空の共同創業者ハーブ・ケレハーは、従業員への権限移譲とコスト抑制の文化を促進し、同社を世界で最も称賛される収益力の高い航空会社に育てた。

スティーブ・ジョブズはアップルで、チャレンジする文化を育てた。「現実は一時的に考えずにおく」「何事も可能である」という文化である。そして同社は地球上で最大の企業価値を誇る会社になった。

 しかし、組織文化が常に素晴らしい結果をもたらすわけではない。事実、2012年にベイン・アンド・カンパニーが大規模なグローバル企業の上級幹部400名超にアンケートを取ったところ、自社の業績に文化が大きく貢献していると感じていたのは4人に1人以下だった。大多数は、文化と高業績とはまず関係がないと考えていたのである。

 なぜ関係がないのだろうか。我々が見たところ、組織文化を「従業員に自社を好ましく感じさせる方法」としか捉えていない会社が多すぎる。従業員――ひいては企業全体――の業績を高めるためのとは思いもよらない。しかし、業績のよい会社はそうではない。彼らは「勝てる組織文化」が人々の結束に影響するだけでなく、見事なほど業績に影響すると知っているのである。

 我々の研究によると、勝利に結びつく文化は、相互に強化し合う2つの要素から成り立っている。第一に、高業績企業はいずれも独自のアイデンティティを持っている――つまり、他の企業と異なる際立った特徴がある。ゆえに従業員は、その会社に所属しているというだけで意義を感じる。また、会社が行うことに関して情熱が生まれる。

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