「高業績文化」を築く3つのステップ

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本誌2014年6月号(5月10日発売)の特集は「最強の組織」。IDEOやブラックロック、ネットフリックスなど、優れたパフォーマンスを誇る高業績組織のヒミツに迫る。HBR.ORGの関連記事第1回は、マッキンゼーの組織変革エキスパートによる報告をお届けする。組織文化の変革を業績の飛躍につなげるには、3つのステップをたどればよいという。


 組織文化は、測定したり変えたりすることが難しい――経営幹部はこう考えがちである。そのため多くの企業は、文化に投資しない。しかし数々の証拠が示すように、やり方次第で競争優位性をもたらす強力で持続的な源泉となりうる。

 オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の例を挙げよう。同行は10年前、「効率と収益を高めるために、従来型の成長戦略に頼らず組織文化を再構築する独自の計画」と呼ばれる取り組みに着手した。最初の2年間で、「ANZは経営理念に忠実」だと感じる従業員の割合は20%から80%に増え、「会議が生産的になった」と感じる割合は61%から91%に増えた。「風通しのよさと誠実さ」および「意欲的な組織文化」を感じる割合にも、同様の増加が見られた。それと並行して、従業員1人当たりの収益は89%増加し、株主利回りと顧客満足度で同業他社を抜いた。初期の取り組み以降、その成果は10年間続いている。税引き後利益の成長率は、業界で群を抜く年平均15%を誇る。

 このような成果を得るには何が必要だろうか。我々は共著Beyond Performance (Wiley、2011年。未訳)に示したように、高業績につながる組織文化を創造するためにリーダーが活用できる、確かな法則を見出した。

ステップ1:組織文化とその測定指標について共通認識を確立する
 どこの企業であれ、経営陣に「最も優先度の高い事業目標は何か」と尋ねれば、おそらくは「市場シェア10%拡大」や「15%のコスト削減」といった答えが返ってくるだろう。一方で、文化に関する最も優先度の高い目標について尋ねれば、凡庸な決まり文句がほとんどで、数字に言及した答えはきわめて少ないはずだ。

 我々の研究によれば、高業績文化の特徴には、①方向性を合わせる能力(ビジョン、戦略、従業員の行動様式を明確にする)、②実行力(摩擦を最小限に抑えながら、合意された方向に進む)、③刷新力(競合他社を上回るペースで継続的に改善する)がある。この3つの要素は「組織の健全性」とも呼べる。文化をこのように定義して関連する具体的要素を特定し、それらを測定する適切なツールを見出せば、文化は業績と同じように厳密に測定・管理できる――ANZが気づいたように。

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