注意力を奪われる時代、
いかに集中し、生産性を上げるか

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HBR.ORGの人気ブロガーの1人、グレッグ・マキューンの連載記事をお届けする。シリコンバレーを拠点にリーダーシップと戦略のアドバイスを行うマキューンの顧客には、アップルやグーグル、フェイスブック、ツイッター、ピクサー、VMウェアなど名だたる企業が並ぶ。連載第1回はあらゆるデバイスに注意力を奪われる時代に、どうすれば無駄な行動をやめられるかを提案する。


 私の友人の1人に、あるグローバル企業のエグゼクティブ・ディレクターがいる。彼は知的で意欲的だが、絶えず気が散っている。どんな時でもツイッター、Gメール、フェイスブックをやっていて、さらに複数のインスタント・メッセージで会話しているのだ。これらのほとんどはある程度は役に立っている。だが彼は、もっと重要なやるべきことが他にあると心の底ではわかっている。しかし毎日があっという間に過ぎ去り、穴埋めのために週末もずっと働きどおしだ。日曜の晩も起きていて、月曜の早朝まで仕事をするのが彼のスタイルとなっていた。

 おかげで社交生活がないよ、と彼は私にこぼした――この時もブラックベリーをチェックしながら。あまりに大変なので、彼は自分のコンピュータに接続されているインターネット・ケーブルをすべて外すようアシスタントに指示したほどだった。けれどもネットとつながる手段は、それ以外にもたくさんある。彼がある重大なプロジェクトを完遂しようと四苦八苦していた時、弟が彼の手からブラックベリーを取り上げた後、インターネット環境のないモーテルに隔離した。そこでもなお、彼は古いノキアの携帯電話を使ってメールをチェックする抜け道を10分以内に見つけ出した。ほとんど独房に監禁された状態で8週間が経ち、やっとのことで彼はプロジェクトを終えることができた。

 頭脳明晰な人物であっても、本当に重要なことからいともたやすく注意をそがれてしまうのはなぜなのか。

 ソーシャルメディアは注意散漫を直接招いているわけではないが、それを増幅させる一因であるのは明らかだ。事実、スタンフォード大学のクリフォード・ナスらの研究によれば、多数のメディアを同時に利用する人は、それほどでもない人よりも、無関係な環境刺激に邪魔されやすいという。マルチタスクを多くすればするほど、さらに多くのマルチタスクに陥りやすい。なぜなら、「干渉を遮断する能力が低下する」からだ。マルチタスクの最中には、深い思考をつかさどる脳の領域が実際に委縮しているのだろうか。

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