「座りっぱなし」は喫煙と同じ?
散歩会議のすすめ

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長時間の座りっぱなしは、死亡のリスクを上昇させる――このショッキングな結果を複数の研究が明らかにしている。そこで、歩きながらミーティングをしてはいかがだろう。散歩会議の提唱者、ニロファー・マーチャントの好評記事。


 読者の皆さんもおそらくそうだと思うが、私もパソコンの前で過ごす時間が嫌というほど長い。人と直接会って打ち合わせをする時には、会議テーブルや、時には空港のラウンジ(長い乗り継ぎ時間にはもってこい)、そしてしょっちゅうコーヒーショップに集まっていた(スタバ万歳!)。となると、こうした場所の最大の共通点は、机でもキーボードでもコーヒーでもない。現代の仕事に共通するのは、「お尻」である。

 仕事中に何を一番しているかといえば、座ることだ。医療情報サイトのMedicalBillingandCoding.org によれば、私たちの平均睡眠時間は7.7時間であるのに対し、座っている時間は1日平均9.3時間だという。座ることは当たり前すぎて、どれほど多くそれをしているか自問などしない。そして誰もがしているから、よくないことだなんて思いもしない。そういう意味で、私は「座ること」をかつての「喫煙」と同じだと考えるようになった。

 健康学では当然ながら、座っている時間を減らし、もっと立って動き回るべきだとされている。1時間座った後では、脂肪を燃やす酵素の生成率が最大90%も低下する。長時間座っていると新陳代謝が悪くなり、HDL(善玉コレステロール)値などに影響する。研究によれば、運動不足は心臓病の直接的原因の6%を占める。2型糖尿病では7%、乳がんまたは結腸がんは10%に上る。肥満に関連する死亡は、いまやアメリカで3500万人に上ることをご存じの方も多いだろう。しかしタバコについてはどうだろうか? 350万人にすぎない(サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙による)。

ニューヨークタイムズ紙は、別の研究成果を報じている。2012年に専門誌『サーキュレーション』で発表された、9000人近いオーストラリア人を対象とした調査によれば、毎日座ってテレビを見る時間が1時間増えるごとに死亡リスクが11%上昇したという。記事では、1日9時間以上座っていると致死作用があるという医師のコメントを引用している。

 こうした状況下で、立ったまま仕事ができるスタンディング・デスクが数年前から流行となっている。これはもちろん1歩前進ではあるが、重い腰を上げさせはしても、しっかり運動をさせるわけではない。

 そこで4年前、私はある単純なことを試してみた。コーヒー・ミーティングをウォーキング・ミーティングに変えてみたのだ。それが非常に気に入ったので、定期的に行うようになった。いまでは週に平均4回、計20~30マイル(約30~50キロ)の散歩会議をする。これで私の人生は変わったが、始めたきっかけはほとんど偶然だった。

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