アナリティクス導入に成功した組織に
共通する4つの特徴

~アナリティクスを活用する組織~

1

前回はアナリティクス実践に際して留意すべき3つのポイントを解説し、データとアプローチ方法の重要性について述べた。今回は、実際にアナリティクスを導入した企業のなかで、成功している企業の特徴を明らかにし、組織運営において押さえるべき要件を紹介する。アナリティクス連載、第3回。  
 

導入に成功した企業は22%しかない

 アクセンチュアのグローバルでの調査によれば、アナリティクスを導入した企業で、満足できる成果を創出した企業は22%に留まっている(調査レポート “Analytics in Action Research: How Organizations Are Measuring Up on the Journey to ROI” 2013年2月)。
 では、アナリティクスを導入することで成果を享受した企業には、どのような特徴があるか紐解いてみたい。前述の調査の結果、大きく3つの特徴があることがわかった。

①技術関連費用の30%以上をアナリティクスに利用
②効果を創出するためのアナリティクス・プロジェクトに集中投資
③意思決定の85%でアナリティクスから得られたインサイトを活用

 すなわち、アナリティクスの導入に成功した企業は、何よりもまず実践することに主眼を置き、結果を元に不足する情報の収集や分析の高度化を図っているといえる。
 データ・サイエンティストの第一人者と言われ、米クラウデラ社のチーフ・サイエンティストを務めるジェフリー・ハマーバッカー氏は “Invest the infrastructure. Data first, question later. Store first, structure later.” (2012年11月12日に開催されたSINAInnovationsでの講演より) と述べている。つまり、成功の鍵は意思決定の補正試行速度を上げることであり、単なるデータ解析ではなく、運用最適化を試行するためにこの姿勢を体現することができた企業が成功に至っているといえるだろう。このような企業では、何よりも経営者がアナリティクスを活用する意義を理解し、不断の決意を持って、社内との調整に挑んでいる。

 今日の勝者が明日の敗者になり得る、目まぐるしい変化の時代は現実となりつつある。コンピューターリソースが潤沢な時代では、圧倒的なコンピューターリソースを背景として革新的なデジタルサービスを提供する企業の波に飲みこまれてしまうだろう。逆に、試行錯誤を重ねて補正の試行速度を上げ、デジタルを自社の優位性に組み入れることができれば、市場の「破壊者」となり、明日の勝者にもなり得るのだ。

 2014年3月末にインテルが前述のクラウデラ社に7億4000万ドルもの投資を声明したニュースは記憶に新しいが、見事にこの議論に当てはまる。先日クラウデラ社の首脳陣と話す機会があったのだが、試行速度の議論については、何も演算処理に限った話ではなく、経営意思決定の部分で全く同意見だった。インテルですら、ここまでのモバイルの台頭を見据えた打ち手が示しきれなかったことは、モバイル機器向け半導体シェアの数値から見て取れるだろう。しかも現在は、これまでインテルが圧倒的なシェアを確保しているサーバー事業領域に、モバイル向け半導体をメインに投入してきたメーカーが参入してくる競争環境下にある。まさに試行速度を上げるアナリティクスが勝負を決する好例になるだろう。

1
無料プレゼント中! ポーター/ドラッカー/クリステンセン 厳選論文PDF
Special Topics PR
今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS
DHBR Access Ranking