データを“ビジネスにする”際の注意点

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ビッグデータのブームに乗じて、データ提供で儲けようとする企業が増えていくだろう。しかしデータの所有権や保護に関する仕組みがいまだ確立されていないこともあり、その実現は容易ではない。データの真の価値を理解して収益化の可能性を探るためのヒントを、米国のデータ事業エキスパートが紹介する。本誌2014年5月号(4月10日発売)特集、「アナリティクス競争元年」の関連記事第2回。


「我が社には、宝の山ともいえるデータがあります。これは非常に価値がありますよ」

「我々は持っているデータすべての価値を引き出せば、まったく新たな収益源を得ることができます」

「ヘッジファンドは我が社のデータに飛びつくでしょう――競争力を獲得できそうなデータなら、実際に購入するはずです」

以上は、ここ数カ月の間に私がクライアントから聞いた声の一例である。彼らは新しくて儲かりそうな分野で、新たな事業や収益源を創造できると期待し、興奮していた。新たな分野とは、ビッグデータやアナリティクス、コンテント・イノベーションである。

その期待が正しい場合もある。しかし間違っていることのほうがずっと多い。最初は莫大であるように見えたチャンスも、十分な評価を行ってみると悲しいほど小さいことが判明するのだ。しかし幸いにも、データの価値を本当に理解しようと努力した企業は、データの収益化に向け適切に行動できる。特に重要な点は、高くつく技術や導入施策――使い道があまりなく、売上げにも寄与しないもの――を回避できることだ。

以下では、自社のデータの価値を理解し、データの収益化を計画するための4つのステップを紹介する。

1.本当に自社のデータなのかを明らかにする

当たり前のように聞こえるかもしれないが、この点に関して間違いを犯す企業が非常に多い。たとえば、データをみずから集め、自社のシステムに収めれば、そのデータは自社のものであると企業は考える。あるいは、集めたデータに自社独自の手法を施せば、それは自動的に自社のデータになると見なす。また、手を加えていない基礎的なデータにアナリティクスを適用すれば、その派生物と引き換えに代金を請求できると考える。これらの考えは正しいこともあるが、間違っている場合のほうが多い。データおよびその派生物に関する所有権が契約で明示されていない限り、そのデータで何かをしてはならない。所有権を明確にするためには、以下の方法がある。

●早めにその分野の専門家の力を借りる。データがどのように生成、保存、処理、パッケージ化、配布、販売されるかを理解している、コンテンツの専門家や弁護士に依頼する。

●より明確にするために、認識しているデータセットを3つのグループに分ける。「自社が所有するデータ」「顧客が所有するデータ」「第三者が所有するデータ」だ。

●オリジナルのデータと対比して、派生データの付加価値部分を(可能な限り)定量化する。その目的は、データの使用と売上分配に関して、データの提供者や共同制作者と合意を形成しやすくするためだ。

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