『ワーク・シフト』の著者が示す、
激変する環境下のリーダーの要件

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『ワーク・シフト』で働き方とマネジメントの未来を描いた、リンダ・グラットン の記事をお届けする。数あるリーダーの条件の1つに、「複雑性と不確実性への対応力」がある。この能力を備え激変するビジネス環境で組織を導くために、3つの要諦が挙げられるという。


 今日のビジネスリーダーには、かつてないほど多様なステークホルダーたちの意見を聞いて調整することが求められている。要求が高まるいっぽうのNGO団体もあれば、献身と意欲を引き出すのがますます難しくなる従業員たちもいる。各方面への対応を、以前よりずっと透明で人々がつながり合った世界で行わなくてはならない。これは難しい課題である。

 私は最近、世界トップクラスの製薬企業に身を置く2人のリーダーと話をしていて、このことについて考えさせられた。ビジネス環境でますます高まる複雑性について話題が及び、必然的に次の問いを自問することになった――複雑なビジネス環境の下で成功するには、何が必要とされるのか。企業や経営を研究する者として、これまで私はこの問いへの答えを見つけただろうか。そして次のようなことが思い浮かんだ。

●幻想を追わず、しっかりと現実を見る
 15年ほど前、私は同僚のスマントラ・ゴシャールとともに、3社のケーススタディを作成した。当時それぞれの業界でリーダー企業であった、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、ノキアである。それ以降、この3社はそれぞれが異なる理由で不振を経験している。

 そこで、私はまず提案したい――リーダーは、安定を揺るがす強い波に自社がさらされていることを常に認識しておく必要がある。不安定要因の正体と、それが近づいてくる速さを見極めるために警戒を怠ってはならない。複雑な状況下での有能なリーダーは、自分たちは無敵であるという思い込みに陥ることがなく、現実世界の出来事をしっかりと見続けている。

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