売れ続けるために必要なのは、
マーケティング・ストーリー

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製品やサービスを売るのに機能や技術だけでは限界がある。これからますます問われるのが、「売れ続ける仕組み」を作ることである。統合型マーケティングの第一人者が、これから5回にわたって、売れる仕組みのつくり方のポイントを紹介する。

 

日本企業の復活はマーケティングがカギを握る

藤田 康人
(ふじた・やすと)

株式会社インテグレート代表取締役CEO
味の素株式会社を経て、ザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)の設立に参画。1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。この結果、ガムを中心とするキシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。2007年、IMC(統合型マーケティング)プランニングを実践するマーケティングエージェンシー 株式会社インテグレートを設立。4冊目の著書『THE REAL MARKETING .F N/売れ続ける仕組みの本質』(宣伝会議)を発刊。

 私は、IMC(統合マーケティングコミュニケーション)の専門コンサルティング会社であるインテグレートのCEOを務めています。大学を卒業して味の素に入社、低カロリー甘味料アスパルテームの開発・営業に携わりマーケターとしてのキャリアをスタート。その後フィンランドの食品素材メーカーザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)のアジアのマーケティング責任者としてキシリトールの市場導入に取り組んできました。厚生省への認可取得を経て国内の製品市場を2000億規模まで成長させました。7年前にインテグレートを起業、現在はクライアントである事業会社のマーケティング・パートナーとしてマーケティングの「課題解決」に取り組んでいます。

 事業会社で低カロリー甘味料のマーケティングに携わってから、マーケティング一筋にキャリアを積み重ねてきました。事業会社の立場でBtoC、BtoBのビジネスを経験し、エージェンシーとしても、日本企業のマーケティングサポートを行ってきました。二十数年、マーケティングの現場で企業組織の内側と外側から、そして日本企業と外資企業双方のマーケティング活動をつぶさに見てきて、誤解を恐れずに言えば、このままでは、日本企業のマーケティングはたちゆかなくなるのではないか、という強い懸念を抱いています。

 国内の成熟したマーケットでは、機能競争が行き着くところまでいき、コモディティ(同質)化が進んでいます。昨年から少しずつ景気動向は上向きになっていますが、長く続いた景気の停滞により消費者の購買意欲は薄れています。特に現代の若者たちの消費志向はこれまでの世代と比べると全く異なる傾向を示し、従来の需要喚起の戦略では新たな需要を創り出していくことが非常に難しくなっています。しかも中国をはじめとするアジア諸国のコスト競争力や、世界市場で成功を収めているグローバル企業が日本市場に根をおろして強大なブランド力を武器に市場の再編を狙って競争を挑んでいます。17年ぶりの消費税増税の影響も不透明な状況の中で、新たなマーケティングの打ち手を探しあぐねているというのが、日本企業のマーケターの本音ではないでしょうか。

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