エンジニアが現地で感じる、
新たなひらめき(後編)

米国NPOコペルニク共同創設者兼CEO 中村俊裕さんに聞く

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BRICs、ネクストイレブンなどのキーワードが次々誕生するように、新興国市場に向けられる世界の視線はますます熱くなっている。自国市場の縮小が予想される日本企業も例外ではないが、新興国ビジネスに不慣れであり、また多様性のマネジメントにも課題が残る。米国NPOコペルニク共同創設者兼CEO中村俊裕氏のインタビュー、後編。

 

多くの日本企業は「ドアの叩き方」を間違えている

――日本企業もいよいよ新興国市場への進出待ったなし、という状況ですが、なかなか軌道に乗らないという現実もあります。

 未知の国ではビジネスのリスクが大きくなります。自社で直接、現地のネットワークを構築しようとするグローバル企業は多いのですが、こと日本企業に限っていえば、どうもその方法に違和感があります。

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中央政府に話を通せばよいと考えてしまうのは、日本ならでは。「せっかく新興国に来て、現場を見ないのは本末転倒、あまりにももったいない」と中村氏。

 一番ありがちなのが、まず中央政府から話を始めようとすることでしょう。あちこちたらい回しにされ、何度も訪問するわりには、これといったパイプも手ごたえも得られない。大都市の官公庁街で無駄に時間を潰してしまい、結局、現地で消費者となりうる人々の生活を知るどころか、市場にたどり着かずに終わるケースも少なくありません。日本では政府という存在に信頼できるイメージがあるからでしょうか。日本企業の海外進出に多い失敗のひとつです。

 海外の企業であれば、最初から現地の最前線に入り、我々のような団体にもダイレクトに接してきます。あるいは、現地でいろんなネットワークをつくっている最中に我々と出会うことも多いですね。攻める場所が現地目線なのです。

 大切なのは、市場調査を他人任せにせず、事業の責任者、ないしは製品開発を担当するエンジニアが、直接現地を知ることなのだと思います。残念ながら、統計や間接的な情報では、さまざまなバイアスがかかってしまい、ビジネスに直接役立つことは少ないのです。成功しているグローバル企業は、そのことを熟知しています。

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