ビジネスモデルは
「基本パターン」の組み合わせで考えよ

ジレットとネスレの事例から学ぶ「消耗品モデル」

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ネスレのビジネスモデルも「消耗品モデル」を応用している

「消耗品モデル」は応用範囲の広いビジネスモデル・パターンなので、別の事例もみてみましょう。専用カプセル式の一杯抽出型エスプレッソマシン<ネスプレッソ>のビジネスモデルです。同製品は、インスタント・コーヒー<ネスカフェ>ブランドで有名なネスレ社の子会社ネスプレッソ社が販売しています。
「高級レストラン品質のエスプレッソを手軽に」という「価値提案(VP)」でネスプレッソは開発されました。一度マシンを購入したら、「専用コーヒーカプセル(消耗品)」を継続的に購入することになります。ジレットやゼロックスと同じビジネスモデル・パターンです。当初はレストランやオフィス需要を狙い失敗しましたが、高所得世帯需要にシフトし成功。利益率の高い専用コーヒーカプセルは、「チャネル(CH)」として、メールオーダーで直接販売。後に、オンライン「ネスプレッソクラブ」での販売や高級百貨店に自社ブティックも展開しました。同社をビジネスモデル・キャンバスとピクト図にしたのが【図4】【図5】です。

 

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【図4】ネスプレッソの
ビジネスモデル・キャンバス

 

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【図5】ネスプレッソのピクト図

 


ネスレ日本の挑戦 <ネスカフェ アンバサダー>

 このビジネスモデルをさらに進化させたのが、ネスレ日本です。インスタント・コーヒー<ネスカフェ>のオフィス需要を喚起するために、コーヒーマシン<ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ>(発売時は、<ネスカフェ バリスタ>)をスイス本社と共同開発。そして、マシンをオフィスに導入するために同社が日本独自に考案したのが<ネスカフェ アンバサダー>です。
 アンバサダー(大使)になると、「ネスカフェ」のコーヒーマシン(希望小売価格9,000円)をオフィスで「無料」で借りられます。2013年11月、ダイヤモンド・オンラインに掲載された同社の高岡浩三社長の記事によれば「(アンバサダー)応募が10万人を超えた。1つのコーヒーマシンを10人が使用していると考えると、1日で約100万人が「ネスカフェ」を飲んでいる計算になる。これによって、これまで家の中で飲むとされていた「ネスカフェ」がオフィスに入ることになった」そうです。
 さらに、『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社、2013年)によると、このビジネスモデルは、スイス本社の役員からも注目を浴びており、日本発のイノベーションがスタンダードとなり、全世界のネスレで展開される可能性も見えてきているそうです。

 

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