ビジネスモデルは
「基本パターン」の組み合わせで考えよ

ジレットとネスレの事例から学ぶ「消耗品モデル」

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最初の消耗品モデルはジレットから生まれた

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【図1】消耗品モデル

 冒頭の表に記載のある通り「消耗品モデル」とは「本体の価格は抑え、消耗品で利益をあげる」ビジネスモデル・パターンのことを指します。このモデルは本体をいかに多く普及させるか、そして、 利益率の高い消耗品をいかに効率的に販売するかの「チャネル(CH)」がポイントになります。「消耗品モデル」をピクト図で示したものが【図1】です。

 消耗品モデルの元祖として、プロクター・アンド・ギャンブル (P&G) 社が販売する、男性用カミソリ・髭剃り<ジレット>のビジネスモデルをみてみましょう。1903年、キング・C・ジレットは「使い捨て替え刃」の安全カミソリを世界で初めて商品化しました(当時はジレット社)。そのときに採用したのが、「カミソリ本体の価格は抑え、消耗品である替え刃で利益をあげる」というビジネスモデルでした。同社のビジネスモデルをビジネスモデル・キャンバスにしたのが【図2】です。

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【図2】ジレットのビジネスモデル・キャンバス

 ユーザーは、最初にカミソリ本体を買うと、その後は「ジレット専用替え刃」を継続的に購入することになります。カミソリ本体の価格は手に取ってもらいやすいようにできるだけ安く抑えているのがポイントで、「収益の流れ(R$)」としては、メーカーは消耗品である替え刃で利益を上げ続けることができるのです。「顧客との関係(CR)」は、ロックインされた継続的な関係となります。

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【図3】ジレットのピクト図

 【図3】をご覧ください。これは、ジレットのビジネスモデルをピクト図解したものです。
「タイムライン」があるので、“売り切りではない”ビジネスモデルであることが視覚的にもおわかりいただけるでしょう。継続的な売り上げが期待できるビジネスモデルは、収益の安定性という観点ですぐれていると言えます。このビジネスモデルは、後に「ジレットモデル」と呼ばれるほど有名になりました。
 そして、この「ジレットモデル」からアナロジー(類推)により発想を広げて成功したのが、<ゼロックス>です。ゼロックスは複写機本体をリースやレンタルにして導入しやすくし、コピーした枚数に応じて課金するビジネスモデルを構築しました。つまり、消耗品であるトナーで利益を上げ続ける仕組みを取り入れたわけです。

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