MBA受講生が「時給10ドル」でコンサル業界の
破壊者となる日

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製造業をはじめ多くの分野を襲ってきた「破壊的変化」の波が、いまコンサルティング業界にも着実に押し寄せている。その一例として、現役MBA受講生たちによるサービス「アワリーナード」を紹介する。低価格と容易なアクセス、柔軟性を売りにするコンサルティング・プラットフォームだ。本誌2014年4月号(3月10日発売)の特集「ビジネスモデル 儲かる仕組み」の関連記事、第3回。


 2013年9月、ダラス・マーベリックス(プロバスケットボール・チーム)のオーナーであるマーク・キューバンは、新興コンサルティング会社のアワリーナード(HourlyNerd)の第一次資金調達に対し、募集金額75万ドルのうち45万ドルを出資した。このニュースを受け、従来型のコンサルタントは不安を感じたことだろう。アワリーナードは、MBA課程に在籍する現役の学生たちによって2012年に設立されたばかりだ。私は最近HBRに寄せた論文「コンサルティング業界は変われるか」(クレイトン・クリステンセン、デレク・バン・ビーバーとの共著。本誌2014年4月号) で、コンサルティング業界における破壊的変化について論じたが、同社はその格好の例である。

 アワリーナードはオンラインのコンサルティング市場として機能している。アメリカのビジネススクール上位20校と一部の海外ビジネススクールのMBA受講生が、コンサルティングのプロジェクトを請け負うために入札する。プロジェクトを発注するのは主に小規模な事業者である。学生がコンサルティングを請け負う金額は、最低で1時間あたりわずか10ドルほどだ。ただし、豊かなコンサルティング経験を持つ者は最高で1時間100ドルまで請求できる。発注企業と仕事を受ける学生の両方から支払われる手数料が、アワリーナードの利益となる。いわば、プログラマーやライター、デザイナー等々を紹介するイーランス(eLance:フリーランスと雇用者をマッチングさせるウェブサイト)のコンサルタント版と考えればよい。あるいは、コンサルティング課題を取引するイーベイのようでもある。

 アワリーナードはコンサルティング業界における最も新しいビジネスモデルの1つである。クライアントとフリーランスのコンサルタントとの間で、サービスのやり取りを可能にし、ネットワークを促進する事業だ。従来のビジネスモデルよりずっとわずかな額でコンサルティングを提供できるため、破壊的変化を起こす大きな可能性がある。低価格にできるのは、高い固定費――採用や教育にかかる費用、休暇手当、高額な不動産など――を負担せずに済むからだ。アワリーナードは学生が入札価格で競い合うことを奨励するので、時間当たりの請負価格がいっそう引き下げられることになる。

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