ビジネスモデルを「見える化」するピクト図解

「ビジネス3W1H」を意識してビジネスモデルを読み解け

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Evernoteのビジネスモデルを可視化する

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【図7】Evernoteのピクト図

 さて、ここまで押さえたら、Evernoteのビジネスモデルをピクト図解してみましょう。フリーミアムモデルの基本の「型(パターン)」【図6】をベースに、足りないパーツを「レゴ」ブロックのように組み合わせて追加していけば、比較的容易に作成することができます【図7】。  

 ピクト図を見ていただければ、個人向けに「スタンダード版(0円)」、「プレミアム版(450円)」。そして、法人向けに「ビジネスプレミアム版(1,100円)」と複数のインカムラインがあり、シンプルなフリーミアムモデルではない、複雑なビジネスモデルであることがおわかりいただけると思います。

 ピクト図解表記ルールでは、「個人」のマーク(人間の形)と「企業」のマーク(長方形)は異なるデザインにしました。その結果、B2Cビジネスなのか、B2Bビジネスなのか、両方なのか、ピクト図を見れば一目瞭然になりました。「個人」と「企業」のマークを使い分けるメリットは、実際にビジネスモデルを「デザイン」すると実感します。
 たとえば、「個人向けに開発中のサービスを、法人向けにビジネスモデル変更したほうがよいのでは?」「法人向けの既存製品を、個人向けに転用して新しいビジネスモデルがつくれないか?」などとプレーヤーの入れ変え作業を「ビジュアルシンキング」できるので便利です。詳しくは連載の後半で解説します。

 最後に、ビジネスモデル・キャンバスにまとめると【図8】になります。  

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【図8】Evernoteのビジネスモデル・キャンバス

  セールスフォース・ドットコムのように「パートナー(KP)」でもあり「チャネル(CH)」でもあるプレーヤーの場合、どちらのブロックに入れたらよいのか悩んでしまう人もいるようですが、私はあまり気にせずに両方に入れています。理由はピクト図解と2つセットで使うので、ビジネスモデル・キャンバス上のブロック分類の精度は、それほど重要ではなくなるからです。
 フレームワークのどこに分類するかという「部分」のデザインにこだわるよりも、ビジネスモデル「全体」を包括的にデザインすることに時間をかけるようにしています。このような観点からも、ビジネスモデル・キャンバスとピクト図解の2つを「連動」させて使うことをお勧めします。

 今回は、ピクト図解の描き方と「フリーミアムモデル」をご紹介しました。次回も引き続き、ビジネスモデル・キャンバスとピクト図解の2つを使って、代表的なビジネスモデル・パターンを解説していきます。(続く)

(編集部注:エバーノート社よりご指摘をいただき、本文および【図7】を一部修正いたしました。訂正とお詫びを申し上げます。 2014年4月9日)

 

板橋 悟(いたばし・さとる)
1963年生まれ。「ピクト図解」考案者。エクスアールコンサルティング株式会社代表取締役、エデュテインメント・ラボ代表。東京工業大学理学部物理学科卒業後、リクルートに入社。米国マサチューセッツ工科大学(MIT)に社費留学。帰国後、KIDS向け教育(エデュテインメント)事業を新規事業として立ち上げる。現在はビジネスプロデューサーとして、企業の新商品開発・新規事業開発支援をするかたわら、大学生に「世の中の仕組み・儲けのカラクリ」をピクト図解メソッドで教えている。人気マンガ「『ONE PIECE』のビジネスモデル分析」は人気講座。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)修士課程在学。著書に『ビジネスモデルを見える化する ピクト図解』(ダイヤモンド社、2010年)、『「記事トレ!」日経新聞で鍛えるビジュアル思考力』(日本経済新聞出版社、2009年)、『なぜ分数の割り算はひっくり返すのか?』(主婦の友社、2011年)など。

※「ピクト図解」はエクスアールコンサルティング株式会社の登録商標です。

 

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