マネジャーは社内のデータ・アナリストに
何をどう訊くべきか

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ビッグデータ時代、マネジャーには統計への理解力が問われるようになった。データに基づく意思決定を行うために、社内のデータ・アナリストとどう対話すべきなのか。ITマネジメント研究の第一人者ダベンポートが、はじめに訊くべき初歩の質問例を挙げる。


 あなたは社内のアナリストと協力して、ビジネス上の意思決定をデータ重視にしようと努めているだろうか。ならば最優先事項の1つは、アナリストによい質問をすることだ。多くのマネジャーは、質問をすると定量的データに明るくないと思われるのではないかと恐れている。しかし的を射た質問をすれば、精通していることを示せるし、意思決定の成果を高めることにもつながるのだ。

 私の新著Keeping Up with the Quants(キム・ジンホと共著。マネジャーのためのアナリティクス入門)、およびHBRに寄せた論文"Keep Up with Your Quants"(2013年7-8月号。本誌未訳)では、分析のさまざまな段階で想定しうる質問を数多く列挙している。しかしこの記事では、データに関してマネジャーが問うべき最も重要な質問のいくつかを挙げ、問答に伴う検討事項も示しておくことでお役に立ちたい。

1.前提・仮定に関する質問

マネジャーがすべき質問:「あなたが構築したモデルは、どんな前提や仮定に基づいているのですか?」

アナリストの回答を受け、マネジャーが考えるべきこと:特定の前提はないとアナリストが言うなら、憂慮すべきだ。あらゆるモデルには、土台となる前提や仮定がある。あるいは、アナリストが示した前提は単なる思い込みかもしれない。そのサンプルが集団を代表している、あるいは前回収集されたデータが今回にも適用できる、といったものだ。

マネジャーが確認すべきこと:「これらの前提がもはや有効でない、という可能性はありませんか?」

回答を受け、考えるべきこと:ここでは熟慮された回答だけを求める。あなたは次のようなことを考えるかもしれない。「前提が依然として有効であるかを確かめる唯一の方法は、新たに収集したデータを用いて別の分析を行うことだが、これはコストがかかりすぎる」。「おそらく変数の値が一定の方向に変動する場合にのみ、特定の関係性が当てはまるのだろう」。「この住宅ローン・リスクモデルは住宅価格が上昇し続ける場合にのみ妥当だろう。でも、そんなことは起こるはずない!」

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