あなたはどんな上司なのか
周囲の本音を探る方法

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優れた上司となるためには、自分に対する周囲の評価と信頼度を知る必要がある。しかし「自分は上司としてどうだろうか?」と部下にストレートに尋ねても、正直な意見はなかなか聞き出せない。うまく真実を探るヒントを紹介する。


前回の記事では、優れた上司になるためには勇気、特に自分が他者からどう思われているのかを知る勇気が必要であると述べた。自分に対する周囲の見解は、ほぼ確実に自己評価とは異なる。この見解の相違は重要だが、不愉快なものでもあろう。

 読者の皆さんから寄せられた、たくさんの思慮深いコメントにお礼を申し上げたい。同意もあれば異議も見られたが、記事が皆さんの活発な議論を生んだことは何よりだ。

 それほど、これは大きなテーマである。重要なのは、(一部の読者が誤解したように)人に好かれたり人気を得たりすることではない。これはマネジャーの主要な任務である、影響力の行使に関わる問題なのだ。自分の言動がどのように受けとめられ理解されているのか。自分が信頼を勝ち得ているのか(そうでない場合にはその理由は何か)。周囲が自分に何を望み期待しているのか。こうしたことがわからないマネジャーが、望むだけの影響力を発揮できるはずがない。

 問題は、それらをいかにして知るかである。多くの読者が指摘したように、ただ尋ねるだけではしっかりした答えや真実を聞き出すのは難しい。上司の立場から真実を知るのがいかに難しいか、さまざまな場面で実感しているのではないだろうか(特にそれが、厄介もしくはネガティブなものである場合)。信頼関係のある上司に対してですら、部下はやはり意識してしまう――相手が自分の昇進と給与、任務の割り当てを左右するキーパーソンであることを。ましてや、信頼していない上司に真実を伝える部下など、どこにいるだろうか。

 簡単な解決策は存在しないが、有効なガイドラインをいくつか紹介しよう。

●本物の、継続的な人間関係を築いていれば、相手の本音が聞こえるようになる。
 部下や同僚、上司や経営陣を含め、周囲の人々との交流について考えてみよう。気楽にギブ・アンド・テイクを行える関係が成立しているか。公私にわたるさまざまな話題について、腹を割って話し合えているか。異議の表明はタブーではなく、互いを尊重しながら意見の相違に向き合っているか。このような人間関係は築くのに時間を要するが、こうした関係なくして相手の本当の考えや気持ちを聞き出すのは難しい。相手が部下ならば、なおさらだ。

●さまざまな意見に――感情的なことや否定的なことでも――冷静かつ建設的に応じるという定評を築けば、本音が聞こえるようになる。
 すべての意見を受け入れる、ということではない。しかし反論する時には、論点や内容を明確にするよう努め、思慮深い質問を投げかけ、例示による説明を促しているだろうか。腹立たしげに、身構えながら相手の意見を否定してはいないだろうか。相手の考えを知りたいのなら、たとえ同意できないものでも、相手がそう認識しているという現実を否定してはならない。率直な意見にも前向きに耳を傾ける人物という評価は、忍耐を試されながら徐々に築いていくしかない。

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