物語で企業と社会をつなぐ
ラグジュアリーブランドの被災地支援

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ブランドの評価において「信頼」の重要性が高まっている現在、社会貢献に取り組む企業はますます増えており、ラグジュアリーブランドも例外ではない。社会貢献を単なる「慈善活動」で終わらせず、生活者との新しいコミュニケーション手段と捉えれば、企業やブランドにとって新たな価値を生み出す源泉になる。そのために求められるものは何か。

 東日本大震災から3年目を迎える今年春、福島県相馬市にLVMH モエ ヘネシー・ルイヴィトンが建設支援を行った施設が完成します。

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福島県相馬市で間もなく完成を迎える「LVMH子どもアート・メゾン」。LVMHが1億3000万円を寄付し、必要に応じてその運営にも協力していく予定。(画像は完成模型)

 それは「LVMH 子どもアート・メゾン」という教育支援施設。震災によって生じた子どもたちの心理的なショックを和らげるためのケア活動を行っている地元NPOの拠点になるほか、芸術を通じた情操教育など、LVMHグループも支援するさまざまなプログラムの実施が予定されています。

 同市の立谷秀清市長は自身のメールマガジンで、LVMHから「グループとして東日本大震災の支援を考えているが、効果的な支援としてはどのようなことがあるか」との申し出を受け、「子どもたちのPTSD(心的外傷後ストレス障害)対策の拠点を作ってほしい」と依頼したことを明かしています。

 現在LVMHは、このアート・メゾンのほかにも、岩手県山田町の「田の浜コミュニティセンター」の再建支援を行っており、ルイ・ヴィトン ジャパンとしても宮城県気仙沼市の牡蠣養殖産業を保護する活動「森は海の恋人」に対する支援などを継続しています。

 こうした取り組みについて、LVMHジャパン代表取締役社長のエマニュエル・プラット氏(当時)は『マリ・クレール』誌で次のように語っています。

 「震災直後は赤十字への寄付を行いましたが、その後はグループとして直接携わることができる具体的なプロジェクトに切り替えました。地域の人々にとって意味を持つ活動を、長期的に支援していくことが企業の社会的責任のひとつだと考えています。世間では『震災は過去のこと』のように考えている人もいますが、復興はまだまだ途中であることを忘れてはいけません」

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