個々人の努力を超えた成果を生み出す
真のチーム・マネジメント

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チームワークは、個々人の努力を合算したものよりも大きな成果を生み出す。したがってマネジャーに求められるのは、部下の集まりをチームへと変える能力だ。真のチームに求められる要件を改めて問うてみてはいかがだろう。


 あなたの下で働く人たちは、本当に「チーム」と呼べるだろうか。

 チームワークをほめ称えるのは簡単だが、すべてのグループがチームであるとは限らない。実際、私たちが目にするグループのほとんどがチームではない。なぜなら、マネジャーはグループの個々のメンバーと良好な関係を築くことに注力しているからだ。彼らは部下を1人ひとり管理することに時間を費やし、集団としてのパフォーマンスにはほとんど注意を払っていない。問題の分析や解決に集団的な力を利用することもほとんどない。どう見てもグループ全体に影響するような問題が起きた場合でも、部下と1対1で対処しようとする。

 このやり方では、ある重要なマネジメント手法が見落とされている。真のチームが有する社会的力学(ソーシャル・ダイナミクス)を利用して、個々のメンバーの行動やパフォーマンスに強い影響を及ぼすことだ。

 チームとは何だろうか。リーダーシップを発揮するうえで、チームはなぜ貴重なツールとなりうるのか。チームとは、「共同作業を行う集団であり、共通の目的とそれに沿った目標に向け、相互にコミットしながら取り組む人々」である。

「共同作業」と「相互コミットメント」が、チームの大きな特徴である。共同作業とは単なる協力や協調を超えたものであり、個々人の努力を単純に合算したものよりも革新的で生産的な成果を生み出す。相互コミットメントとは、チームの成果に対して各自が責任を持ちながら、他のメンバーにも責任を求めることを意味する。真のチームは、一緒に考え行動するだけでなく、社会的・感情的にも強い絆で結ばれ、この絆が原動力となる。メンバーたちは、個人とは異なる「我々」という意識――これはあらゆるチームの基礎を成すものだ――を持ち、成功も失敗も全員で分かち合い、チームの成功なくして個人の成功はありえない、という強い信念を共有している。

 チームにおけるメンバー間の強力な絆は、はじめに目的と目標から生じる。共通の、やりがいのある目的は、重要なことを一緒に成し遂げているという意識を生み出す。そして目的に沿った具体的でやりがいのある目標は、重要な場所に一緒に向かっているという意識を生み出す。目的と目標なくしてチームは成り立たない。

 しかしそれだけでは十分ではない。各自の役割、仕事の進め方、メンバー間のやりとりも明確にする必要がある。これらの不可欠な要素が揃ってはじめて、グループはチームとなる。つまり、メンバーの態度と行動に強い影響を及ぼすコミュニティとなるのだ。したがってマネジャーは、人々の集まりを真のチームへと変える能力があれば、より影響力を持ち優れた上司となれる。

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