中国経済の低迷は本当か
2014年「10の予測」

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急激な経済成長に陰りが見え、中国経済の低迷を指摘する声もある。しかし、本当にそうだろうか。世界的経営コンサルティング会社BCGが新興国の消費者に直接インタビューをし、その消費マインドを描いた『世界を動かす消費者たち』の発刊を記念し、新興国の消費市場を読み解くヒントを提示する。


 2013年11月半ば、中国は、市場の役割の重視、長年中央政府が統制してきた分野への民間部門の参入拡大、外資参入規制の緩和などを含む新社会経済政策を発表した。また、一人っ子政策を緩和し、国と国民に大きな機会と新たな希望や夢を与えた。

 習近平をはじめとする指導部は、より持続可能な消費者主導の経済発展が可能になるならば、中国経済の成長減速はやむをえないと表明している。過去に党指導部が抜本的な経済改革を実行した(1978年や1993年)後、中国経済が低迷したことを挙げて、中国経済は近いうちに大きく落ち込むとすぐに結論づける予想屋もいる。

 しかし私たちは、中国経済の減速はそれほど長引くものではなく、習のリーダーシップの下、速いペースで成長を続けると見ている――今回の改革の方向性は、2020年にかけての中国の成長を大きく促進するものと考えられるからだ。私たちの作成したベース・シナリオでは、中国の個人消費は2010年から2020年の10年間で約4兆ドル増加し、2020年にはインドと合わせて約10兆ドルに達すると予測している(注)。両国は、成長著しい中間層による消費拡大と楽観的心理の高まりにけん引され、経済大国への道を突き進んでいる。誰も未来を完璧に予測することはできない。私たちは成長が鈍化するシナリオに基づく予測も作成しているが、基本的には中国の未来について楽観視している。

 以下に、2014年の中国に対する私たちの予想を10項目、挙げてみたい。

1.中国の指導者は、住宅、学校、道路などへの多額の予算配分等、都市開発を促進する大型インフラ投資を伴う積極的な成長プログラムに資金を投じ、資本経済に火をつけるだろう。

2.一人っ子政策の緩和によって出生率が大幅に上昇し、2014年には最大200万人の出生数増加、最大15%の押し上げ効果が見込まれる。これにより消費者心理はいっそう上向くだろう。

3.国、地方政府ともに、生産性と製造業における競争力の向上を狙って、先端農業、輸送、医療など技術主導型産業への投資を増やすだろう。品質と歩留まり率の向上、および「生産性による」グローバル競争力の確保に向けた、国を挙げての取り組みが行われるだろう。

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