マクドナルドの現地化戦略に学ぶ5つの教訓

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事業のグローバル化と現地化は表裏一体だ。文化的多様性が高い「食」については、さまざまな戦略的アプローチが可能だろう。世界118カ国に展開する外食産業の巨人マクドナルドから学べる、5つの教訓をお伝えする。本誌2014年2月号(1月10日発売)の特集、「日本企業は新興国市場で勝てるか」の関連記事、第3回。


 鶏肉、生姜、玉ねぎ、エシャロット、唐辛子をライスに和えた料理。じゃがいもとエンドウ豆をつぶしてスパイスを混ぜたパテを揚げ、トマトとベジタリアン・マヨネーズをトッピングしたもの。ピタパンにグリルチキン、レタス、トマト、玉ねぎ、タヒニ(胡麻)ソースを挟んだもの。イングリッシュマフィンにフリホレス(煮豆を炒めたペースト)、ホワイトチーズ、サルサをのせたもの。ワカモーレ(アボカドのディップ)をかけたチキンカツ。牛肉のラグー(煮込み)の包み揚げ。羊肉、刻んだレタスとトマトをピタパンで巻いたもの。グリルサーモンとディル(セリ科のハーブ)ソースのサンドウィッチ。

 どれも同じレストラン、しかも同じ巨大外食チェーンの料理だとはとても思えないだろう。では、それぞれの料理を現地で注文されている名前で言い換えてみよう。Bubur Ayam McD(マレーシア)、McAloo Tikki(インド)、McArabia(エジプト)、McMollete(メキシコ)、McPollo(チリ)、McKroket(オランダ)、McTurco(トルコ)、McLaks(ノルウェー)。

 アメリカ人にとって喜ばしいことに(残念に思う人も多くいるかもしれないが)、マクドナルドのゴールデンアーチは世界中に存在する。だが、そのメニュー品目は実にさまざまである。シンガポールのマクドナルドへ行けば、チキンカツの入った袋に現地のスパイスをまぶして振ることで味付けする〈シャカシャカチキン〉や、ジャスミンティーを注文できる。スペインでは、カップ容器に入ったガスパチョ(冷製スープ)が買える。ブラジルでは、長方形のパイに詰まっているのはアップルではなくバナナだ。

 マクドナルドの看板商品であるバーガー類も、国によって驚くほどバリエーションがある。日本にはマッシュポテトを揚げてキャベツととんかつソースを添えた〈コロッケバーガー〉がある。香港には胡麻付きのバンズではなく揚げたライスで挟んだバーガーがある。マレーシアの〈ダブルビーフ・プロスペリティバーガー〉は、黒コショウのソースを特徴としている。イタリアではバーガーの肉にパンチェッタ(豚バラ肉)があり、通常はチャバッタというパンが使われる。インドへ行けば、人口のおよそ8割が宗教上の理由で牛肉を食べられないため、牛肉を使用したバーガーは一切メニューにない。

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