将来への備えは「文書化されない計画」から始まる

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「将来への計画」は、大きく2種類に分かれるという。1つは、計画書に記すことができる具体的な目標や工程だ。これに対し、頭の中にある長期的で流動的なイメージや展望は、「文書化されない計画」である。計画書には記されない部分――たえず変化する展望や思いつき、直感など――こそが、将来に備えるうえで重要となる。


 将来に向けた準備はできているだろうか。あなたは、棚に置かれたバインダーやノートPC上のスライド資料を指差しながら、「もちろん、計画は立ててある」と答えるであろう。

 たいていのマネジャーや組織は、固定的な将来像が記されたそれらの文書――期待する数字や、期日の入ったTo Doリストとして示されることが多い――で、その先に待ち構えるあらゆる出来事に対処しようと考えている。

 しかし、もしもそれが唯一の計画で、しかも作成後に数週間以上経っているならば、準備とは言えないだろう。文書の中で想定した未来は、実際の未来と異なる可能性が高いからだ。未来はぼんやりとしか見えないもので、常に変化しながら近づいてくる。それにどう対処できるのだろうか。

 ほとんどの企業がマネジャーに毎年1回以上の策定させている、従来型の計画書がダメだと言っているわけではない。たとえ計画を文書化する必要がなくても、書き留めておくことは望ましい。目標と活動計画を他者に伝え、巻き込むうえで役立つからだ。

 しかし、この文書だけをもって「計画」と考えてはいけない。それはより大きな何かがもたらすデータ、あるいは断片にすぎない。その何かをうまく表現する言葉がないため、ここでは「文書化されない計画」(unwritten plan)と呼ぼう。

文書化されない計画は、文書化された計画よりもはるかに幅広く、流動的だ。何をするのか、どこへ向かうのか、なぜそこを目指すのか、どうやってそこにたどり着くのか――。文書化されない計画は、これらに関して頭の中に存在する認識であり、状況に合わせて形を変える。その時々における将来展望と、その展望を実現させるためにどう影響を及ぼせるかによって、頭の中の計画は変化していく。

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