なぜボッテガ・ヴェネタは東大生と家具を作ったのか?

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ボッテガ・ヴェネタは2010年の国際的な家具見本市(ミラノ・サローネ)で、東大大学院生がデザインし、イタリアの職人が仕上げたラグジュアリーな家具を紹介した。しかし、どうして世界的なラグジュアリーブランドであるボッテガ・ヴェネタが、日本の学生と組んで商品を発表したのか。そこから見えてくるラグジュアリーブランドのオープンプラットフォーム化について考える。

 

2009年10月26日、イタリアのラグジュアリーブランド「ボッテガ・ヴェネタ」はあるユニークなコラボ企画について都内で記者会見を行いました。

そこで発表されたのは、東京大学をパートナーに迎えたデザインコンペティション。若手のデザイナーたちが参加したのかと思いきや、対象となったのは18人の大学院生。東京大学大学院准教授で著名な建築家である千葉学氏の研究室に所属する生徒たちでした。

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コラボレーションを発表した東京大学の千葉学准教授とボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクター、トーマス・マイヤー。

しかも、コンペの課題は「座っている人に対して何らかの機能を持ったサイドテーブルをデザインすること」。バッグやラゲージなど、ラグジュアリーな革製品のイメージがあるボッテガ・ヴェネタですが、意外なことに家具をテーマに選んだのです。

その企画意図は次のようなものでした。

ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクターであるトーマス・マイヤーは親日家で、以前から日本のものづくりの精神を世界に紹介したいと考えていました。すでに同ブランドはファニチャー製品の分野にも進出しており、2年に1度、国際的な家具見本市である『ミラノ・サローネ』に出展していたため、トーマス・マイヤーはサローネという大きな舞台で、ぜひ日本の若者たちによる作品を発表したかったというのです。

トーマス・マイヤー自身による講評会も経て、最優秀に選ばれたのは3人の学生の作品。そして、実際に世界中のバイヤーやプレスが集まるサローネの会場に展示されました。

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