上手に「ノー」と言うための、9つの習慣

1

次々と舞い込む依頼を断り切れず、自分の時間を犠牲にして他者に手を貸してしまう――こんな経験は、多かれ少なかれ誰もがあるはずだ。上手に「ノー」と言う方法と心構えを実践し、自分の人生を取り戻そう。


 アイリーンは、同僚としては申し分ない人物だった。大手コンサルティング会社のシニア・マネジャーで、スタッフに仕事量の負荷がかかれば協力を申し出るし、誰かが病気になれば穴埋めをする。必要があれば超過勤務も厭わない。しかも頻繁に。

 彼女はリーダーとして、役員会のメンバーも務め、チャリティー・オークションでの資金集めもする。子どもがいるため、夕食までには帰宅するよう努めているが、子どもたちが寝たあとに夜遅くまで仕事をすることも多い。ただしそれができるのは、仕事上の夕食会がない日に限られる。

 しかし、率直な気持ちを聞いてみれば、彼女は満足しているどころか、疲れ切っているとわかるだろう。

 アイリーンは、「ノー」と言えない。その結果、限られた時間と枯渇しそうなエネルギーを、他人のために使っている。自分自身の優先事項はおざなりだ。私自身も同じような経験がある。だから、はっきりノーと主張するための方法を、時間をかけていくつも編み出してきた。

 アイリーンの生活には、本当に「イエス」と言いたいことに集中できるだけの余地が必要だ。上手にノーと言うために、彼女に提案した「9つの習慣」を紹介したい。

●何に対してノーと言いたいかを、明確にする
 自分にとって何が真に重要で、何が重要でないのかを明確にしよう。何に時間を使いたいかがわからなければ、何に時間を使いたくないかもわからないだろう。自信を持ってノーと言うためには、断りたいという自分の気持ちをはっきり意識する必要がある。このあとのすべてのステップは、まずこの一歩から始まる。

●感謝する
 人があなたに何かを頼む時、それは決してあなたを侮辱してのことではない。あなたを信頼し、その能力を信じるがゆえに、彼らは助けを求めるのだ。だから、あなたを選んで依頼してくれたことに感謝しよう。これはイエスにつながるわけではないので、心配は無用だ。

●人に対してではなく、依頼に対してノーを言う
 ノーと言うことで相手を拒絶することにはならない。依頼を断っているだけだ。この点を明確にすること。相手のどこを尊敬しているかを伝えよう。たとえば、仕事ぶりに感服しているとか、熱意や思いやりに気づいているとか。もしかしたら、依頼は断りたくてもランチならOKかもしれない。誠意ある対応をしよう。たとえ依頼をしてきた相手が嫌いでも、丁寧に穏やかに接すれば、相手を拒絶しているわけではないことが伝わる。

●理由を説明する
 断る理由が実際に何であるかはどうでもよい。重要なのは、理由が存在するということだ。あまりに忙しいのかもしれないし、その依頼内容では自分の強みが発揮できないからかもしれない。なぜノーと言うのかを正直に伝えよう。

1
無料プレゼント中! ポーター/ドラッカー/クリステンセン 厳選論文PDF
Special Topics PR
今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS
DHBR Access Ranking