第10のメガ・トレンド
ネットワーキングと生産性

社会と文化

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いよいよ最後のメガ・トレンドは「ネットワーキングと生産性」である。近年クラウド・ソーシングが急速に注目を集めているが、そうした新しい仕事のスタイルや協業はますます進んでいくだろう。2040年の世界を示すブーズ・アンド・カンパニーの好評連載、第13回。

 

第10のメガ・トレンド
ネットワーキングと生産性(Connectivity and Productivity)

 テクノロジーの進歩にともない、個々人はより多くのつながりを持つようになり、生産性は高まっていく。この進歩は先進国、新興国の違いが大きくなく、世界同時に起きている現象でもある。

 携帯電話とインターネットの普及は急速に進み、携帯電話は2008年の時点ですでに多くの地域で人口1人当たり加入率が1を超えつつある。加入率1は人口と同じ数の加入数であることを意味するため、数字上は当該国のすべての人が携帯電話に加入していてもおかしくないことになる。2020年になると、最も普及の遅いアジア、中東アフリカでもこの率が0.7に達する。インターネットの普及はやや遅れているが、やはり2020年になると多くの地域で0.8、0.9など1に近い数値になる(図表1、2参照)。携帯電話の普及を背景に、アジア、アフリカなどでは、携帯電話を活用した決済が銀行口座すら保有しない人を対象に試みられている。

 また、こうした技術進化により、デジタル化や仮想化、ネットワーキングがさらに広がる。連携が容易になったことの結果として、個人や企業はさらに専門を深化させやすくなり、磨かれた専門性で勝負するようになる。ネットでのコミュニケーションも増えるが、物理的な人と物の移動もさらに増える。逆説的ではあるが、情報共有が進めば進むほど、人の移動が触発され、それによってさらに情報の共有が進むというサイクルが起きるためである。

 こうした技術進化を活用して、先進国でも新興国でも生産性の向上への取り組みが進んでいく。G7では毎年1%程度の生産性向上が続くと予想されているが、BRICsでは4%程度の向上が続くと見られており、先進国と新興国のギャップはかなり縮まることになる。今後、生産人口の減少が想定されている先進国においては、生産現場のさらなるオートメーションを中心に生産性の向上が取り組まれていくことになる。新興国でもまた、人件費水準の上昇に対処する(より人件費の低い国へのシフトを食い止める)ための自動化投資がさらに進んでいく。このため生産財としての産業機械へのニーズは今後も堅調となろう。

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