第1のメガ・トレンド
環境保護主義

気候、エネルギー、資源分野

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「10年以上にわたって使い続けることのできるグローバル長期戦略」を立てるために、より具体的に、30年後を見通したグローバル市場の方向性を探って行こう。大きくは3分野、10の動向が考えられる。ブーズ・アンド・カンパニーが示す2040年までのメガ・トレンド10、連載第4回。

 

 人類の生産消費活動は、地球の限りある資源とそこから生産されるエネルギー、さらに地球環境と気候に依存していることが、ようやく自覚され始めてきた。この課題に対しては今後ますます真剣な取り組みが求められるようになる。今まで以上のペースで新興国が資源を消費し、環境に負荷をかけることになるため、地球環境に対する危機感はさらに強まるだろう。気候、エネルギー、資源分野には、「環境保護主義」と「資源をめぐる争い」の2つが注目すべきメガ・トレンドとして挙げられる。これらは、資源の埋蔵量の限界や気温上昇などの事実そのものに加えて、さまざまな関係者の利害や感情、思惑などによってさらに増幅されていくという特徴がある。2040年の時点で地球の気候変動が決定的な段階に到達していることはないとは想定されるものの、気候変動を防ぐ取り組みや、それを見越した取り組みがビジネス界にさまざまな影響を与えていくことになるだろう。

第1のメガ・トレンド
環境保護主義 (Environmentalism)

 狩猟や乱獲による生物の絶滅、アマゾンの森林の伐採による森林の縮小や砂漠化、都市部や工場地帯近郊の大気・水質・土壌の汚染など、人類はその繁栄にともなって地球の環境に少なからぬ影響を与えてきた。日本でも足尾銅山から端を発し、水俣病、イタイイタイ病、川崎と四日市のゼンソクなど、1960~70年代に多くの公害問題が発生し、深刻な事態を脱出するために長い年月を費やした。また、地球環境全体の研究が進むにつれて、オゾンホールの発生が確認され、海水面の上昇や巨大台風の発生などが全地球的な気候の変動の影響であると解明されたことから、これらの気候変動は人間の生産消費活動の直接的・間接的な影響により生じていることが判明した。世界の平均気温が2℃上昇すると深刻な影響があると言われるが、「温暖化」や「気候変動」のメカニズムや、原因と影響については現在も多くの科学者が研究を続けている。現在のところ、IPCC第4次環境アセスメントレポートなど関係機関の主要レポートを見る限り、影響は決定的な段階にはなっていないというのが大方の見方のようである(図表1参照)。

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