部下の半分は「自分は評価されていない」と
感じている

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アメリカ心理学会の調査によれば、米国労働者の48%が「職場で正当に評価されていない」と感じているという。この深刻な問題に対処し労働意欲を向上させるために、リーダーは「触媒」と「栄養分」を提供する必要がある。


 2011年10月28日、米世論調査会社ギャラップは、「米国労働者の過半数は労働意欲がない」というショッキングな見出しの記事を発表した。すべての労働者やビジネス・リーダーを動揺させる内容だ。また、これに先立つ報告でギャラップは、労働意欲の減退に起因する生産力の低下によって、米国だけで年間3000億ドル以上に相当する損失を招いている、と試算している。報告によれば、自分の仕事に熱意を持ち、組織に積極的に貢献していると自覚している労働者は、わずか3人に1人しかいない。なお悪いことに、最も意欲がない労働者は組織の中高年層、それに高学歴を持った社員であるという。このような人々は、まさに最大の創造性と生産性を持って働いているべき人材である。

 一体何が起こっているのだろうか。アメリカ心理学会(APA)による世論調査から、いくつかの示唆が得られる。まず、労働者の36%がストレスを感じており、そのほぼ半数が賃金の低さを原因として挙げている。たしかに、労働者の生産性は過去20年間で着実に上昇しているが、実質賃金は停滞しているのだから無理もない。だが、不満の最大の原因は給与ではない。労働者が回答している職場での不満には、成長や昇進の機会の少なさ(43%)、重労働(43%)、非現実的な期待(40%)、長時間労働(39%)がある。

 しかしAPAの調査で最も衝撃的な結果は、労働者の48%が職場で評価されていないと感じている、ということであろう。いくら企業が社員を大事にしていると表明しても、多くの社員が毎日職場で経験している実情とは大きく異なっているのだ。人々が正当な評価や敬意を感じることができず、意欲が出ないのは当然だろう。それによって組織が被る経済的な損失は甚大で、個人が被る精神的な痛手は看過できない。

 それでは、どのような解決策があるだろうか。ギャラップの会長ジム・クリフトンは著書The Coming Jobs War(未訳)のなかで、マクロレベルでの解決策をいくつか提案している。国々や都市はよい雇用を生み出す義務がある。そのために社会は、次世代の雇用を創出する者への教育、およびその仕事を請け負う人々への教育に投資すべきである。そして企業は、少ない労働力で乗り切ろうとすることをやめなければならない、というのがクリフトンの主張だ。APSの調査が示しているように、意欲を低下させる要因である労働者のストレスは、多くのことを少ない資源で達成するよう求められることに起因している。

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