たった1つの問いがあなたを変える

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自分の行動のどこを改善すべきか。その改善は本当に必要なのか。みずからそれを悟るのは難しい。自己改革の意義と効果を素早く特定する方法を、コーチングの世界的権威、マーシャル・ゴールドスミスが紹介する。


 私が企業幹部を教育する仕事を始めたばかりの頃は、クライアントに対して、自らを変えるべき行動パターンを1~3つ特定するよう求めていた。しかしいまでは、3つは多すぎることがわかっている。

 3つも特定できない理由は、モチベーションや知性の欠如によるものではなかった。クライアントがとにかく忙しすぎたのだ。現在では最大の効果を期待できそうなものを1つ選び、それに注力するよう指導している。本当に改善すべき部分を選び、それを実践すれば、対人関係にもほぼ確実に影響が及ぶだろう。たとえば、他人の話をうまく聞けるようになれば、チームワークをうまく強化できたり、顧客満足度を向上させたり、敬意をもって人と接することができるようになる。

素晴らしいエクササイズ

 私の友人であるナサニエル・ブランデンは、約20冊の著作を持つ心理学者である。彼が考案したエクササイズのなかには、自分の最も変えるべき部分をうまく特定できるものがある。このエクササイズが素晴らしいのは、自己改革の効果を自分で見出せるからだ。改革に意義があるかどうかを判断する彼の方法を、以下に紹介しよう。

 テーブルを囲んで5~8人が座り、各人が自分の改善すべき行動や習慣を1つ特定する。1人がこう言って、エクササイズを開始する。「私がもっと上手に○○○できるようになれば・・・・・・」。その後に、その改善によって得られる効果を1つ挙げて、文章を完成させる。たとえば次のような具合だ。「私がもっと上手に異なる意見を受け入れられるようになれば、もっと良いアイデアを耳にすることができるだろう」

 全員がそれぞれの具体的な行動と効果を述べ終えたら、このプロセスを繰り返す。2巡目は同じ行動を改善することでもたらされる2つ目の効果について言及し、その次は3つ目、と続け、通常はこれを6~8巡目まで行う。最後に、参加者は各自が学んだこと、そしてエクササイズに対する各自の反応について話し合う。

 ブランデンからこのエクササイズについて最初に説明された時、私はその効果に疑いを持った(あからさまに顔を出したわけではないが)。改革の潜在的な効果を何度も繰り返し口にするだけ、というやり方に価値を見出せなかったのだ。しかし、実際にその効果を目の当たりにして、私の疑念はすぐに消え去った。

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