5分で得られる、瞑想の意外な効果

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ブレグマンによれば、瞑想は「衝動に抗う能力」を高め、数々のメリットをもたらすという。瞑想という言葉や習慣に何らかの抵抗を感じる人は、それをストレッチや散歩のような手軽な行為として考えてはどうだろう。


 今朝、私はいつものように床の上にクッションを置き、あぐらをかくと、両手をひざに乗せて目を閉じた。そのまま20分間何もせず、ただ呼吸を続けた。

 瞑想で1番難しいのは、瞑想する時間を見つけることだ、とよく言われる。そのとおりだろう。いまどき、「何もしない時間」が持てる人間がどこにいるだろう? 瞑想を正当化するのは簡単ではない。

 瞑想には数々の利点がある。リフレッシュできる、いまこの瞬間に意識を集中できる、賢く穏やかになれる、情報やコミュニケーションに振り回される毎日に立ち向かう助けになる、などが挙げられる。あるいは、あなたが探しているのは、瞑想に時間を使うことを正当化できるビジネス上の利点だろうか。ならばこれはどうだろう――瞑想は生産性を高める。

 どうやって? 瞑想は、注意をそらせる衝動に抵抗する能力を高める――これが答えだ。

 研究によれば、強い衝動に抗う能力は、周囲との関係をよいものにし、信頼を勝ち取り、パフォーマンスを向上させる(自制心と成功の関係を研究した「マシュマロ実験」についてはこちらを参照)。湧き上がる衝動に抵抗できるなら、もっと優れた、もっと思慮深い判断を下せるのだ。自分が何を言うか、どのように言うかにも注意を払えるようになる。行動する前に、その結果について考えられるようにもなる。

 欲求に抗う力があれば、新しい行動を学び、古い習慣を変えることができる。それは私たちの成長や発展にとって、最も重要なスキルだろう。そしてこれこそ、瞑想が私たちに教えてくれるものの1つなのだ。同時にこれは、学習が最も困難なものでもある。

 今朝の瞑想で、私は呼吸のたびに徐々にリラックスしていき、気になっていたことをすべて忘れることができた。瞑想を始める前に頭の中にあった懸念のすべてが、消え去った。意識しているのは呼吸することだけ。身体は満ち足りた感じで、とても平和な気持ちだった。

 といっても、4秒ほどのことだ。

 頭をからっぽにして1、2回呼吸すると、いろんな雑念が雪崩のように押し寄せてきた。「自然は空白を嫌う」という格言のとおりだ。顔がかゆい。掻きたい。次作の素晴らしいタイトルが頭に浮かぶ。忘れないうちに書き留めなくては。かけたいと思っていた電話のことも考えた――少なくとも4本あった。この日に予定していた、難しい話し合いについても考えた。やがて執筆時間が数時間しかないと気づいて、焦り始めた。ここに座って、私はいったい何をしているんだ? 目を開けて、タイマーの残り時間を知りたくなった。別の部屋から子どもたちのケンカの声が聞こえる。行って止めなくては。

 だが、ここが肝心なところだ。私はこういったことを全部やりたかったが、実際にはやらなかった。雑念が頭をよぎるたび、呼吸に意識を戻した。

 意図したことをやり遂げることができない、というのは問題になる時もある。提案書を書くのをずっと先延ばしにしているとか、厄介な会話を避けるために棚上げしている場合などだ。しかし反対に、やりたくもないことをやってしまうことも問題だ。聞く代わりに話そうとするとか、超然としている代わりに策を弄するとか。

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