「クラウド・コンテスト」を成功させる5つの要諦

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本誌2013年9月号(8月10日発売)の特集は「集合知を活かす技術」。HBR.ORGの関連記事の最終回は、コンテストをうまく活用する方法を紹介する。社内外のクラウドからアイデアを募るコンテストは、問題解決のための効果的な手法だ。


 よく知られているように、ビジネスの世界では、困難な課題を解決するためにクラウドが活用されている。キックスターターやインディゴーゴー(Indiegogo)などの有名なサイトでは、参加者が新しいプロジェクトのための資金を集めることができるし、クラウドスプリング(crowdSPRING)や99デザインズ(99designs)などのデザイン・プラットフォームは、グラフィックデザインのアイデアやフィードバックに必要なツールを提供している。

 筆者が運営するハルト・プライズ(Hult Prize)は、ミレニアル世代(主に1980~1990年代生まれ)に革新的な社会起業活動を促し、世界が抱える喫緊の課題を解決してもらうためのスタートアップ・アクセラレーターである。最優秀チームには、100万ドルのスタートアップ資金が提供される。私たちがハルトの活動を通して気づいたのは、革新的で破壊的なアイデア、とりわけ複雑で大規模な社会問題を解決するためのアイデアを生み出す場合には、クラウドが常識を覆すような解決策を提供できるということだ。

 とはいえ、クラウドの力を効果的に活用するためには、注意深い取り組みが必要である。私たちは過去4年間の取り組みを通して、一連のガイドラインを考案した(ビル・クリントンはタイム誌上で、ハルトのコンペティションは世界をより良い方向へ変える5つのイニシアチブの1つだと称えている)。これらのガイドラインは、社会問題を解決するための独創的で実現可能なアイデアを生み出すものである。

 ネットフリックスやゼネラル・エレクトリック(GE)、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)といった企業もまた、クラウドへの取り組みを始めており、ビジネス上の障害を解決するためにこういったガイドラインを活用している。もしあなたの企業が、自社に役立つ破壊的で強力なアイデアを見出したいと望んでいるなら、次のガイドラインに従ってクラウドを引きつけるコンペを立ち上げるとよいだろう。

1.課題の領域を明確にする
 制限のないチャレンジはめったに成功しない。参加者は強い関心を持たず、アイデアも実現可能なものにはならないだろう。多すぎる応募への対応に時間を費やすものの、優れたアイデアはほとんど得られずに終わる。したがって、求めている解決策のタイプや合格基準を明確に定義しなくてはならない。世界の食糧危機の解決を目指した私たちの最新の取り組みでは、対象範囲を都市地域とした。解決策が最大の効果を発揮できる場所を選んだのだ。同じように、GEが最近行った医療体制の改善を求めるアイデア公募「ホスピタル・クエスト」では、オペレーション上の問題に焦点が絞られ、治療の成果や患者の快適さなど、他の重要な問題は意図的に排除された。

2.具体的で大胆な、高い目標を設定する
 課題を定量的に組み立てよう。そして目標を高く設定することによって、参加者に壮大な発想を促し、解決策が大きなインパクトを持つようになる。ネットフリックスは社内コンペ「ネットフリックス賞」を企画した時、視聴者の映画嗜好の予測精度を現在より10%以上向上させよ、という大胆な目標を設定した。こうした目標は、最初はまったく実現不可能に見えるだろう。しかし私たちは、ハードルを高く設定するたびに、いくつかのチームからそれに届く、あるいはそれを超える解決策が提案されるのを見てきた。

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